上)着尺 三浦絞り 山繭、中)着尺 鎧段絞り 紬、下)着尺 変り日の出絞り 紬
「絞り染め 安藤宏子展 ~手の軌跡をたどる旅路~」は、おかげ様で盛況のうちに終了いたしました。 作品を手に取ってくださった皆様、オンラインでご覧になられた皆様に心より御礼申し上げます。
絞りの世界に魅了され六十年もの時が過ぎようとしています。
世界の絞り、特に日本の百種余りに及ぶ絞りの歴史と技法を探求し続け、自らの手で表現してきました。
氏の作品からは、その土地の風土や人々の声が聞こえてきます。
2009年の個展から14年。
時空を超える絞りの世界を是非この機会にご覧ください。
会期:4月21日(金)〜23日(日)
場所:銀座もとじ和染、男のきもの、オンラインショップ
〈お問い合わせ〉
銀座もとじ和織・和染 03-3538-7878
銀座もとじ男のきもの 03-5524-7472
ぎゃらりートーク
日時:22日(土) 10時~11時【開催終了】
定員:40名様(無料・要予約)
場所:銀座もとじ和織
作品解説
日時:23日(日)14時~ ※20分ほど【開催終了】
場所:銀座もとじ和織
作家在廊
21日(金)13~18時
22日(土)、23日(日)11~18時
大阪日本民芸館にて特別展開催中
春季特別展「絞り染めの世界―安藤宏子のまなざし―」
場所:大阪日本民芸館
会期:令和5年3月4日(土)~7月17日(月・祝)
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:水曜日 ※11月23日(水・祝)は開館
※外部リンクに移動します。
安藤宏子さんについて
絞り染めに魅了された六十年の軌跡。
日本の絞りから世界の絞りまで、歴史と技法を探求。
三浦絞り、手蜘蛛絞り、帽子絞り、日影絞りなど長い歴史や文化の中で育まれた多様な技法を用いて一枚の布を一つ一つ手で括り、草木や藍染の心安らぐ色彩で染められ表現される作品からは、その土地の風土や人々の声が聞こえてきます。
絞り染に興味を抱いたのは22歳の頃、仕事の関係で有松絞りや鳴海絞りの調査に同行したことがきっかけとのこと。故郷・大分の旧地名である豊後の名がなぜ名古屋の代表的な絞り「豊後絞り」として伝わっているのか?等、調べるほどに魅了され、以来数十年にわたって世界中の絞りの技法や歴史を研究。100種類もの日本の絞りを体系化し、『世界の絞り染め大全』『絞り染め大全』(誠文堂新光社刊)ほか著書も多数。
“草遊びの庵”と名付けた工房「遊草庵」で作品制作を行いながら、絞り染教室「遊草会」では絞り染の魅力を伝える活動を行っていらっしゃいます。
安藤宏子さんの過去の記事はこちら
絞染め作家・安藤宏子さんの工房に行ってきました
「日本の絞り 安藤宏子の世界」ぎゃらりートーク開催レポート
コーディネート例の一部を紹介します
芯入れ帽子絞り お祝い会へ
安藤宏子さんによる芯入れ帽子絞りの大胆な構図が魅力的な藍染の絵羽紬。帯にも、古くから藍を使う友禅作家 田畑喜八さんのものを。すっきりとした名古屋帯ですが、金糸を使うことで豪華さもプラス。ちょっとしたお祝いのパーティなどに。
三浦絞り 単衣時期のランチへ
安藤宏子さんの三浦絞りの着物は水玉模様のような大人の可愛さがあります。民芸の香りを漂わせる着物を単衣仕立てにして、幾何学柄のモダンさのある藍の紅型帯を合わせてすっきりと現代的に。お友達との気軽なランチへ
日本茜染 着物仲間との会食
安藤宏子さんによる日本茜染独特の上品で愛らしい色が魅力的な手蜘蛛絞りの紬。帯は同じ系統の色を重ねつつ、お互いの迫力が引き合うコーディネート。大人の女性が年を重ねてもずっと愛せる1枚に。
染織好きの着物仲間との特別な会食へ。
鎧段絞り 定年後のくつろぎ着に
誰かと会うためではなく、自分時間を楽しむワードローブとして着物を着る日常に。すっきりときれいにまとめるよりも、遊び心のあるアイテムで、着の身着のままに出かけたい気分の装いです。
安藤宏子さんによる鎧段絞りの迫力のある紬を単衣仕立てに、科布の角帯、紋紗の薄羽織を添えて初夏に楽しむコーディネート。
板締め絞り 大人の休日
週末を過ごす旅先や別荘で、モードを切り替え、着流しで読書や散歩、お食事を楽しむ装いにいかがでしょうか。安藤宏子さんの板締め絞りによるモダンな紬に155玉の組紐角帯で、くつろぎ感と洒落感を両立させたコーディネートです。
作品の一部をご紹介いたします
絵羽紬「三浦絞り 日本茜染 紬地」
【作家コメント】
故郷である大分に自生している日本茜を使用。田んぼの急勾配で高校時代の同級生たちが採取してくれています。三浦絞りは豊後絞りの一種です。
絵羽紬「変わり手蜘蛛絞り 藍染 紬地」
着尺「手蜘蛛絞り ホウズキ 藍染 紙布」
【作家コメント】
手蜘蛛絞りを大小ランダムに染め上げ遊び心を出しました。清々しい表情は単衣にもおすすめです。
着尺「手筋絞り 藍染 紬地 1」
【作家コメント】
フリーハンドで縫い絞り筋をとっていき、白場を美しく仕上げました。
着尺「三浦絞り 藍染 紬地」
【作家コメント】
信州紬を使用。三浦絞りは豊後絞りの一種です。絞りの表情、リズムを楽しんでほしい作品です。