銀座の街で行き交う人とすれ違う時にいつも感じること、
「この街に素敵な出会いを探しに来ている」
私は銀座もとじさんの御店の雰囲気が大好きです。
お客様皆様、社長様、スタッフの皆様のお人柄と心を揺さぶる商品があるからだと思います。
着物はお召しになる方々の数だけ美しい組み合わせがあるように思います。
自然を見た時に感じたトキメキや美しさをぎゅっと詰めて、作品一つ一つ、心を込めて制作いたしました。
挑戦の場、一人でも多くのお客様にお目にかかり、学ばせていただきたいと願っております。
長沢碧
ぎゃらりー泉
型絵染 長沢碧 初個展
~瞳の奥に描かれた景色~
会期:2021年11月12日(金)~14日(日)
会場:銀座もとじ ぎゃらりー泉
〈お問い合わせ〉
銀座もとじ女性のきもの 03-3538-7878
ぎゃらりートーク
長沢碧さんをお迎えし、ものづくりのお話を伺います。
日 程 : 11月13日(土)
時 間 : 10:00~11:00
会 費 : 無料
定 員 : 20名様限定(要予約・先着順)【受付中】
場 所 :銀座もとじぎゃらりー泉
作家在廊
11月12日(金)~14日(日)各日11:00~18:00
【対談】長沢碧さん×銀座もとじ
間もなく、ぎゃらりー泉にて、長沢碧さんの初個展を開催いたします。
純粋な心、瑞々しい感性が解き放たれた、着物と帯。
初個展を迎えるにあたり、長沢碧さんに今のご心境をお聞きいたしました。
作品の一部をご紹介いたします
型絵染 訪問着「うららかな春-早春-」
2015年第89回国展 入選作
作家コメント:どこまでも続く桜並木の情景を一枚の型紙を整然と繰り返す型染の手法で表現しました。桜並木のイメージは垣根に置き換え、独自に解釈し直しデザインすることで印象的な春の花園が着物全体を覆い広がる構図にしました。
型絵染 訪問着「清流」
2017年第58回石川の伝統工芸展 入選作(非売品)
作家コメント:梅花藻の咲く澄んだ流れの情景を描きました。
水面に咲く梅花藻、その様が見られるほど透明感のある川の流れに魅力を感じます。
川の流れを型紙、梅花藻を友禅染の技法でそれぞれ制作しています。
型絵染 訪問着「宝珠」
作家コメント:風が通ると植物が揺れて、その姿かたちから光が動いていき、キラキラと音を奏でているよう。
植物を通して見える光と風の情景を描きました。
北村武資先生の水色の羅の帯を拝見し感動した感情、流れるような造形美や風が吹き抜ける空間を感じる作品を作ってみたいと制作しました。
型絵染 九寸名古屋帯「春」
2017年第73回金沢市工芸展 入選作
作家コメント:兼六園の梅をモチーフに制作しました。金沢の春は待ち遠しい。少しの晴れ間に春を感じたりします。まだまだ寒い時期に梅の蕾の丸さを見ると心が浮き立つ情景を描きました。
兼六園は入場料がかかるので、桜が満開に咲く頃など無料開放されている間に何度も通いました。日本庭園には四季の魅力が詰まっているとしみじみ思います。
型絵染 九寸名古屋帯「春告」
作家コメント:
尾形光琳の「紅白梅図屏風」のような帯が欲しいと思って自分の趣味嗜好を詰め込んで制作した作品です。屏風の川の流れの迫力となんとも言えない品の良さが型染で表現できないだろうかと苦心しながら挑戦しました。
型絵染 九寸名古屋帯「ハルモニア」
作家コメント:金沢の冬、雪は粉砂糖のように舞い、とても幻想的です。
雪が降ると音も全て吸収されて、世界が眠ったように感じます。
訪れる春に芽吹く植物はとても生命力に満ち溢れているだろうという希望を込めています。
「ハルモニア」は調和の意味でつけています。様々な形の春の訪れがあるけれど、私たちが春と感じられる同じものがあるのです。
冬の静かな朝は幻想的ですが、雪で車が出せなくなるので急いでスコップ持って駐車場に走っていました。
型絵染 九寸名古屋帯「華色」
作家コメント:華やかな灯火という意味を込めました。
以前のスケッチを見返しながら、燭台やぼんぼりの灯りのような花という印象のまま帯にしたいと思い制作しました。
ステンドグラスや提灯の光と連想するのは暗がりに浮き上がる色とりどりの光で早々に地の色は黒と決めていました。
ちょうどコロナが流行り始めた頃、心がときめくような、安心するような灯りって素敵だと思い、光のような色彩を込めて制作しました。
型絵染 九寸名古屋帯「実り」(六通)
作家コメント:発想はミモザからですが、めぐる季節の中で植物の実りが花とも実とも見えるように制作しました。
黄色は豊穣、ピンクは色づく(植物などがその時節をむかえて美しくなること)をテーマに制作しています。
長沢碧さんについて/プロフィール
1991年千葉生まれ。2013年に女子美術大学芸術学部工芸科を卒業、同大学院に進み工芸研究領域染コース修士を修了する。2018年金沢卯辰山工芸工房を修了。型染の技法を中心に、作品の制作・研究を行う。女子美術大学在学中に型染を学び、金沢にて友禅染を取り入れた作品を展開する。主な展覧会に「国展」(2013‐2015/国立新美術館[東京])、「日本民藝館展」(2015-2016/日本民藝館[東京])、「石川の伝統工芸展」(2016‐2017/めいてつ・エムザ[石川])。
2021年現在、東京都にて制作活動中。
2013年 第87回国展工芸部入選
第49回神奈川県美術展工芸部入選
2014年 第53回日本クラフト展学生部門入選
第88回国展工芸部入選
2015年 第89回国展工芸部入選
世界工芸コンペティション・金沢2015入選
平成27年度日本民藝館展入選
女子美術大学大学院美術研究科工芸研究領域染コース修士課程修了
2016年 第72回金沢市工芸展入選
第57回石川の伝統工芸展入選
第38回伝統加賀友禅工芸展入選
平成28年度日本民藝館展入選
2017年 第73回金沢市工芸展入選
第51回日本伝統工芸染織展入選
第58回石川の伝統工芸展入選
第39回伝統加賀友禅工芸展入選
平成29年度日本民藝館展準入選
2018年 第74回金沢市工芸展入選
第92回国展工芸部入選
平成30年度日本民藝館展準入選
金沢卯辰山工芸工房修了
2019年 第93回国展工芸部入選
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ぎゃらりー泉とは
女性のきもの専門店「和織」と「和染」の扉の間にもうひとつ、「ぎゃらりー泉」と書かれた扉があります。この扉は、いつか未来を担う作り手に出会えたら、この扉を開いて羽ばたいていって欲しいと、店主泉二が「和織・和染」の開店時より設えていました。 ぎゃらりー泉は、才能がありながら作品発表の機会に恵まれず染織の世界を離れていく多くの作り手を目の当たりにしてきた、店主泉二の長年の夢でもありました。これからの日本の染織界で活躍が期待される可能性を秘めた作り手に光を当て、作品発表の場を提供したいという思いから造られました。 2017年、運営が始まり、ぎゃらりー泉での初個展を開催。 染めや織りの作家としての一歩を踏み出された皆さんは、お客様の応援をいただきながら、その後も確実に着実に活躍の場を広げられています。