樹田紅陽 作
プラチナボーイ 刺繍 訪問着
紺裾暈し地 亀甲文様
「黎明」
作品コメント
《構想》
紺碧の星空のもと 暁天に臨み やがて明けくる 希望と渇仰の時空を想いえがく
《技法》
「組みぬい」この技法は、江戸時代の武家の夏の正装として着装された「腰巻」や袱紗の一部に見ることが出来ます。
その基本的技法から糸の組み方を工夫し亀甲文様を作っています。
ぬい糸の方向が三方向になり、又重なり方に方向性が生じ、絹糸の光沢を生かして照明の光の角度により見え方が変化します。
この組みぬいに添わせて、「菅ぬい」で麻の葉文様の単一の六角形をぬっています。平白金糸、金糸の二種の箔糸をつかいアクセントを添えています。
樹田紅陽 作
プラチナボーイ 刺繍 付下げ
ベージュ裾暈し地 亀甲文様
「希 のぞみ」
作品コメント
《構想》
茶席の一句、『春日太平歌』にちなみ
のどかに なごやかに みやびやかな はじまりの ひととき
《技法》
「組みぬい」この技法は、江戸時代の武家の夏の正装として着装された「腰巻」や袱紗の一部に見ることが出来ます。その基本的技法から糸の組み方を工夫し亀甲文様を作っています。ぬい糸の方向が三方向になり、又重なり方に方向性ができ、絹糸の光沢を生かして照明の光の角度により見え方が変化します。
この組みぬいに添わせて、麻の葉単一の六角形の文様を平金糸の「菅ぬい」で表現しています。
樹田紅陽さんからの御祝いメッセージ
お祝い申し上げます。
このたびの
泉二弘明氏会長ご就任。
泉二啓太氏社長ご就任、誠にお目出度ございます。
先代はよそおいのコンシェルジュとして、
日本各地の染織文化を紹介され、また多くの工人を支えてこられたと存じ上げます。
新社長様には、
これまで積み上げられてきました無形の財を引き継がれ、
日本の和の文化の継承にご尽力されますことと拝察します。
心よりお慶び申し上げます。
風土に根ざした暮らしにこそ、人の癒しと喜びがあるのでしょう。
京都の地で刺繍職に携わります私共は勇気づけられています。
銀座もとじ様の
益々の御活躍とご発展をお祈りいたします。
繍匠樹田
樹田紅陽
令和四年九月吉日
樹田紅陽さんのご紹介
保昌山胴掛復元の手技を現代の美意識で表現。
京繍ならではの、祈りにも似た静謐な美。
1948年京都市生まれ。京繍の初世・紅陽(樹田国太郎氏)の孫として生まれ、京都市立芸術大学西洋画科在学中に父である二世・紅陽が病に倒れた後、刺繍家の美村元一氏、さらに間所素基氏への師事を経て、39歳の時に三世・樹田紅陽を襲名。1990年より祇園会保昌山の胴掛類の刺繍の復元を手がけ、以降現在まで保昌山胴掛や船鉾の水引の復元・修理、函谷鉾天井幕の新調に携わられています。250年の時を遡り素材・意匠・技法の伝統を忠実に再現しながらも、完成した刺繍に漂う現代的な美意識。きものや帯などに刺繍だけで文様を施す「素繍い」による作品は、時にモダンアートのような革新性ある造形の中に伝統の繍技が競い合い、巧みな撚糸づかいによる陰影や奥行きが豊かな表情をもたらしています。
写真左より会長・泉二、福本潮子さん、樹田夫人、樹田紅陽さん、切畑健さん、店主・泉二啓太
2001年 伝統文化賞(財団法人 民族衣装文化普及協会)
2005年 国立京都迎賓館 大晩餐室几帳野筋刺繍制作
2018年 奈良国立博物館「糸のみほとけ展」に技法解説資料展示等に協力
京都府匠会会員/京都祇園祭山鉾連合会・調査員/(社)文化財保存修復学会会員
銀座もとじ和染 2018年個展開催
2020年40周年記念展出品
樹田紅陽さんについての
おすすめの読み物
2018年の個展に際し、京都国立博物館名誉館員・切畑健氏に執筆いただいた和織物語「刺繍美 三世 樹田紅陽の世界」を公開しています。
【お問い合わせ】
銀座もとじ女性のきもの 03-3538-7878
銀座もとじ男のきもの 03-5524-7472