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人間国宝 北村武資 記念作品

人間国宝 北村武資 作
羅 袋帯
「四ツ目菱」

	北村武資	 羅 袋帯 「四ツ目菱」

作品について
『羅』の「袋帯」作品は大変希少でほとんど制作されておりません。本来であれば美術館や図録でしか拝見できない作品のご紹介の機会を頂戴しました。四ツ目菱がやわらかな気品あふれる香色で織りなされた端正な帯。盛夏の訪問着などやわらかものから、上質な上布や自然布など織着物にも合わせて、美術品をまとう喜びをご堪能ください。

北村武資さんより40周年記念展の際にいただいたメッセージを再掲載します

泉二さんとプラチナボーイ

 京都では、月初めに染織関係の催事が開かれることもあって、泉二さんにお目にかかる機会が多くなった。
 いつも端然とした和服姿で、自らハンドルを握ってご来訪いただくので恐縮するばかりである。京都の入り込んだ街中に点在する商社や工房を廻り、品物の選別や物づくりの現場の様子を自身の眼で確かめる、それが経験に培われた泉二さんの信条である。
 ある日、突然プラチナボーイが話題となり、何の話かと不思議に思った。きものや帯の素材である絹糸は、繭から製糸、染色、整経などの工程を経て織物になるが、その技術は、太古の昔から多くの工人によって工夫改良が重ねられ、現代に繋がっている。
 泉二さんは常にオリジナリティを求め、物の良し悪しは素材で決まるという信念のもとに探究し、巡り合った究極の素材、それが雄蚕から生成されるプラチナボーイなのである。
 プラチナボーイを素材にした制作が、産地や作家の手によって進められているという。
 今日も銀座もとじさんでは、店内のメインテーブルに着物や反物が拡げられ、友禅の訪問着を試着する人も居て、お客様と作り手との会話が弾んでいることだろう。  奄美大島と東京銀座、大島紬とプラチナボーイ、その間の道程に、泉二さんの語りつくせない御苦労があったと思う。

令和2年6月17日

北村武資

北村武資さんのご紹介

織りの構造美を極め、
「羅」「経錦」の二つの分野で人間国宝に認定。

羅 袋帯	 	北村武資

1935年、京都市下京区五条生まれ。お父様を早くに亡くされ遠戚が働く西陣で15歳で織物の見習い工になられます。世襲や弟子入りを経ずに技術を研鑽し、古代に発展し途絶えた織り技法を独学により復元。1995年「羅」の技法において、さらに2000年には「経錦」の技法において重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されました。 「羅」という織物との出会いは1972年、「長沙馬王堆漢墓(ちょうさまおうたいかんぼ)写真速報展」でその幻想的な美しさに魅せられ、資料の写真のみから推測して組織を復元。さらに「経錦」という織物は、唐の時代に日本へ伝わり奈良時代以降には織られなくなっていたものを独学で復元されました。とはいえ、北村氏の織物は単なる古代製織技法の復元ではありません。 古代のものとは全く異なる現代に生きる織物として、 精緻で破綻のない織り組織、洗練された色彩は、常に品格をたたえ、雅な作品として私たちを魅了し続けます。

	羅 袋帯	 	北村武資
2017年トーク会にて、左から会長・泉二、北村武資氏、外舘和子さん

2015年  35周年記念展特別出品
2015年  人間国宝の染と織展
2018年  現代の名工展
2020年  40周年記念展特別出品
2022年  二大巨匠展 競演する織と染―北村武資と森口邦彦
1935年 京都市生まれ
1965年 日本伝統工芸染織展 日本工芸会会長賞 以後、入選・受賞多数
1968年 日本伝統工芸展 NHK会長賞
1990年 京都府無形文化財保持者に認定
    MOA美術館 岡田茂吉賞工芸部門大賞
1995年 「羅」の技法にて重要無形文化財保持者に認定される
1996年 紫綬褒章受章
1999年 京都府文化功労者に選定
2000年 「経錦」の技法にて二度目の重要無形文化財保持者に認定される
2001年 「人間国宝北村武資-織の美-展」(群馬県立近代美術館)
2005年 旭日中綬章受章
2011年 「『織』を極める 人間国宝 北村武資展」(京都国立近代美術館)
2022年 3月永眠

銀座もとじ和織 2004年、2009年、2012年、2014年、2017年個展開催
2015年 35周年記念展特別出品
2015年 人間国宝の染と織展
2018年 現代の名工展
2020年 40周年記念展特別出品
2022年 二大巨匠展 競演する織と染―北村武資と森口邦彦

北村武資さんの他の作品・詳しい情報

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社長就任記念展 希‐のぞみ

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