織楽浅野 浅野裕尚 記念作品と御祝いメッセージ

読みもの

織楽浅野浅野裕尚　記念作品と御祝いメッセージ

織楽浅野
九寸名古屋帯
「レリーフ」

作品コメント
綴組織に細やかで複雑なランダムな畝を三色で表現し、加えて銀糸で微塵格子のような織表現を用いてベースの織物を表現しています。
中世ヨーロッパの建築に見受けられる壁面に浮かび上がる文様をモチーフにして、重ねています。生地と相まって生み出す上質感を表現しています。

織楽浅野
角帯
「金彩硝子文」

作品コメント
ヨーロッパ・アンティークのグラスに金彩で描かれた文様をモチーフに用いて、織ベースをダイアモンド織と呼ばれるインドのパシュミナで使われる菱文様をアレンジして、深い色同士が重なり合い複雑な表情を生み出しています。
タレ先に色目でワンポイント変化をつけています。

織楽浅野浅野裕尚さんからの御祝いメッセージ

このたびの泉二啓太様の代表取締役社長のご就任、心よりお祝い申し上げます。
初めて啓太様にお目にかかったのは2010年の「海の色」展の時でした。
お手伝いにこられており、まだ学生さんでロンドン・パリで勉学中とのこと。
その時はご挨拶だけでしたが、会長に無理を言い、現在、家業を継ぐ私の息子と一緒にパリまで押しかけ数日間、啓太様と楽しく過ごす機会を頂きました。
このころから二代目にとって、海外での学びと人との出会いが日本に留まらず、世界と銀座を結ぶグローバルなセンスとなって、銀座もとじ様での新しい指針となりエネルギーになっているように思います。
今回の記念展におきまして、私にとって作品を制作し発表できる場を頂戴できるのは、この上ない喜びであり、まさしく「希－のぞみ」そのものです。
これからも世代を超え、物作りを通じて皆様に喜んでいただけるようご指導のほど、宜しくお願い申し上げます。
今後、益々のご活躍をお祈り申し上げます。

織楽浅野浅野裕尚

織楽浅野　浅野裕尚さんのご紹介

「織を楽しむ」をコンセプトにした西陣の機屋。
色数を抑え、素材の陰影を生かした品の良い美しさ。

1980年に「織を楽しむ」をコンセプトとして創業された京都西陣「織楽浅野」。色数を抑え、奥行きと質感があるきもの。西陣の伝統を大切にしながらも感性が際立つ作品を作り続け、時を越えて支持されるスタイルを提案しています。幼少の頃よりお父様と共に美術館や本屋巡りをし、価値あるものを選ぶ眼を養う機会に恵まれたという代表の浅野裕尚さん。現在も世界中の美術書や織物、さまざまな和紙、筆、墨、箸、ポスターなどをコレクションされ、素材そのものの本質的な美しさを捉え、創作に生かされています。素材の違いが生み出す陰影が表情をつくる帯は、女性男性ともに人気を集めています。

2018年10月のぎゃらりートークにて。左から店主・泉二啓太、会長・泉二、織楽浅野・浅野裕尚さん、織楽浅野・浅野裕樹さん。