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矢野まり子 記念作品と御祝いメッセージ

矢野まり子 作
浮織入り着尺
「野に入りて 心とらえし りんどうの花」

矢野まり子 浮織入り着尺 「野に入りて 心とらえし りんどうの花」

作品コメント
野に静かにたたずむりんどうの花。
深いみどりの葉に、ひときわ鮮やかな紫色を目にして、一瞬にして心を奪われました。
この折の心情をきものに表現し、浮織で光の変化をつくりました。

絹糸は、生繭を座繰繰糸し、藁灰汁で精練して絹のもつ輝きを引き出します。
紫色は、地元島根県で栽培された紫根(出雲根紫/いずもむらさき)で染めました。
紫根は、絶滅危惧種に指定されており、栽培が大変難しく稀少な染料です。
紫根で染色後、10年ねかせた染め糸で織り上げています。

じっくりねかせた染め糸は、時間の経過と共に次第に深みのある彩光を放ってきます。
その後、織り上げたきもの地に砧打ちすることにより、絹鳴りと光沢が増大してきます。

糸作り、染め、織り、各工程の伝統技術を継承し、絹糸が持つ力を最大限に活かすことを目指して制作いたしました。

新しい時代に向けて、あらたな「希」をこの作品に託しました。

矢野まり子さんからの御祝いメッセージ

新社長就任おめでとうございます。
心よりお祝い申し上げます。

啓太様に初めてお会いした日のことを思い起こしています。
銀座もとじ様での初個展の前年の7月7日、私の工房にお越しいただきました。
全身、黒づくめの服。ヨーロッパで学んだファッションの匂いを残し、優しい柔和な微笑みをたたえて、呉服屋さんの二代目とは想像できない立姿、かっこ良さでした。

私の工房では、七夕の乞巧奠の室礼をいたしました。梶の葉に毛筆で書いてくださった願い事は、私の初個展を祈る「完売」という言葉でした。
この祈りの言葉は、銀座もとじ様の次を担うに相応しい力強いことばでした。
その後の啓太様のご奮闘ぶりは、皆様ご存知のとおりです。
今や、銀座で一番きものが似合う新社長に!

土から始まる養蚕、その後の長い工程を沢山の人の手を経て心を込めて制作される、きものや帯。
多くの方々の心に寄り添い、これからのきもの業界を先導していってください。
益々のご活躍とご発展を願い、広い視野に目を向けたご活動に期待を寄せています。

ほんとうにおめでとうございます。

矢野まり子

矢野まり子さんのご紹介

生繭からの糸づくりと、春夏秋冬の草木の色。
絹の輝きをまとう極上のエレガンス

浮織入り着尺 矢野まり子

島根県松江市生まれ。 武蔵野美術短期大学工芸デザイン科卒業後、島根県の民芸運動家・多々納弘光氏の妻・桂子さんと出会い染織を志す。その後、倉敷の民芸最後の求道者、故・外村吉之介氏の研究所で織物を学び、故・柳悦博氏に絹織物の基礎を学びます。
沖縄・石垣島にて9年間、上州座繰りによる生繭繰糸を修得後、染織の和の世界から洋装のテキスタイルコンバーターのテキスタイルデザイナーとして世界を駆け巡る日々を送ります。
ファッションの発信地、パリ、ミラノ、スペインで仕事をし、あらゆる繊維に触れ、様々な物づくりを経験し、自分の判断基準の原点は生繭から作った生糸であることに深く心をうたれ、山崎和樹氏に草木染めを学びます。
染織の道40年、染め織りに素直になれる自然環境に工房を構え、生命の声に耳を傾け、感謝の気持ち一心で染め織りあげられる着物は祈りそのものです。

	浮織入り着尺 矢野まり子
2018年4月トーク会にて。写真左から会長・泉二、矢野まり子さん。

銀座もとじ和織 2011年、2018年個展開催
2015年35周年記念展出品
2020年40周年記念展出品

矢野まり子 さんの他の作品・詳しい情報

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