松原伸生さんが長板中形の
人間国宝(重要無形文化財
保持者)に認定されました
文部科学省に設置されている文化審議会より7月21日(金)、歴史上又は芸術上価値の高い重要無形文化財の保持者、いわゆる「人間国宝」が発表となり、染織・長板中形の分野で松原伸生さんが認定されました。
「長板中形」においては、1955年(昭和30年)に認定された松原定吉氏、清水幸太郎氏に次ぐ、史上3人目の認定となります。松原定吉氏は松原伸生さんのご祖父様であり、松原伸生さんが生まれる10年前、人間国宝に認定されたその年に62歳の若さでご逝去されています。
松原伸生さんは、「松原四兄弟」の一人である父・利男さんに高校卒業後より師事され、自然豊かな千葉県・君津の工房で、伝統を守りながら今の時代に光る作品を創作。数々の染織展で受賞を重ね、2018年に第38回 伝統文化ポーラ賞 優秀賞、2021年に紫綬褒章受章。2020年より公益社団法人 日本工芸会 理事に就任され、多方面で活躍されています。
銀座もとじでは、2009年より7回の個展を開催させていただき、確かな手技による素晴らしい作品をご紹介してまいりました。松原伸生さんが染め出す清々しい藍の美しさは多くのお客様を魅了し続け、またぎゃらりートーク等で触れるその大らかで温かなお人柄に、男女年代問わずファンの層を広げてこられました。
店主 泉二啓太が兄と慕う松原伸生さんのこの度の吉報に、スタッフ一同、大きな喜びに包まれております。輝かしい栄誉を心よりお祝い申しあげます。
松原伸生さん プロフィール
1965年 東京都江戸川区に生まれる
1984年 都立工芸高等学校デザイン科卒業後、
父 松原利男に長板中形・藍形染めを師事
2000年 第40回伝統工芸新作展 奨励賞
2005年 第39回日本伝統工芸染織展 新人奨励中国新聞社賞
2006年 第40回日本伝統工芸染織展 新人奨励山陽新聞社賞
2007年 第41回日本伝統工芸染織展 東京都教育委員会賞
2008年 千葉県美術展(県展)県展賞
2009年 第56回日本伝統工芸展 新人賞
2014年 第61回日本伝統工芸展 高松宮記念賞(最高賞)
2015年 第49回日本伝統工芸染織展 日本経済新聞社賞
2016年 君津市長賞表彰
2017年 千葉県指定無形文化財「長板中形」保持者認定
2018年 第38回伝統文化ポーラ賞 優秀賞
2020年 第67回日本伝統工芸展 日本工芸会保持者賞
2020年 公益社団法人日本工芸会 理事就任
2021年 紫綬褒章 受章
2023年 重要無形文化財 保持者(人間国宝)認定
2022年のぎゃらりートークを全編公開中
2022年の「和織物語」を全文公開中
工芸ライター・田中敦子さんに取材執筆いただいた和織物語「松原伸生の長板中形~藍冴える型模様の天晴れな美~」を公開しています。