銀座もとじは、2002年9月10日、業界初「男のきもの」専門店を立ち上げました。
当時、365日をきもので過ごす店主 泉二のもとには、多方面の男性諸氏から、「男性のきもの商品がなかなか見つからない」、「男性のきものをもっと専門的に取り扱って欲しい」といった声が届いていました。
2017年9月、お陰様で、「銀座もとじ 男のきもの」店 は15周年を迎えることができました。2002年に銀座もとじ 男のきもの店をオープンしてから、これまでに本当に多くのお客様との出会いがありました。
ワンランク上のお洒落を目指そうと、また着物生活をはじめることによって新しい自分との出会いを求めて、着物に親しまれている方々にとっては、さらに上質なこだわりのものを求めて、多くの方が銀座もとじ 男のきもの店に足を運んでくださいました。オープン当初からご来店いただく男性のお客様の印象として変わらず特徴的なことは、素材へのこだわりが強く、上質なものに敏感な方が多くいらっしゃる、という点です。
銀座もとじでは、 “自分の目で見て、自分の耳で聞き、自分の手で触れて”、納得したものを自分の言葉でお客様にご紹介をする、ということを大切にし、常に産地には足を運んでいます。本当に時代の求めているもの、そして妥協の無い上質な良いものを作り続けるため、店主 泉二が、まずは自ら作り手の方々のもとへと何度も足を運び、ときには酒を酌み交わし、ふところに飛び込んでは、作り手の方とお客様の架け橋となれるよう、真剣なものづくりを続けてまいりました。
作り手の方々は、さまざまな土地において、あるいは分野において、着物の伝統技術、民族性や習慣などを必死に守ろうとしながら、後世に着物文化を残そうと戦っています。そういった作り手の真摯な思いや本当に価値のあるものが、一つ一つ形になって現代の生活の中に届き、そして後世にも受け継がれていくためには、現在の作り手たちを途絶えさせてしまってはなりません。
蚕を育てる人、絹糸をつむぐ人、草木から染料をとり糸を染める人、糸から機織る人、絣をくくる人・・・それ以外にもまだまだ多くの工程があり、その間のリレーやバトンが手渡されるところを、銀座もとじは“自分たちの目で見て、自分たちの耳で聞き、自分たちの手で触れて”いきます。そこには、ひとつひとつの作品がお客様の手に届くまでの作り手たちの細部に渡るこだわりや情熱、着物や帯の素材へと形を変えていく自然の恵みへの敬意など、心に響き渡るストーリーに満ちています。わたしたちは、作り手への深い感謝の思いとともに、それらのストーリーをお客様にお伝えし続けていきたいと思います。
店主 泉二は、365日、雨の日も晴れの日も着物で過ごしています。そこには、「着物を着る」ということが、その作り手(染・織・仕立て)の方々を守っていくことにつながる、という思いがあり、いつも着物への感謝の気持ちをもちつつ、精魂込めて作った方たちの思いにこたえていきたい、という強い願いがあります。 それ以前に着物は、身につけて非常に心地が良いばかりでなく、腰ひもと角帯で着られるという大変重宝な衣装です。身につけているだけで、洋装では出せない存在感をまわりに与えることができ、さらに生糸が生み出す温もりと心地の良さをいつも感じることができます。
2017年に15年目を迎えた、「銀座もとじ 男のきもの」店。さらに20年目、30年目へと向かって、わたしたちは、常に新たな挑戦を続けながら、より男性のお洒落心を満たせる商品づくりに取り組んでいます。これまで女性のきものの作品制作しか手がけていらっしゃらなかった作家の方々にも男性の着尺や角帯などをつくっていただけるようにもなりました。
これからも、「銀座もとじ 男のきもの」店は、日々のお客様との出会いを大切にしながら、未来に向かって、 “男のきもの”の世界の新しい扉を、どんどん開いていけたらと思っております。みなさまのご期待に添えるよう尽力して参ります。