店主 泉二弘明のおすすめの逸品 重要無形文化財 喜如嘉の芭蕉布の着尺「星十字」
2012年5月17日より、「『信念で育む喜如嘉の芭蕉布』平良敏子と芭蕉布織物工房展」を開催させていただきます。
小柄な身体に優しい微笑み、穏やかな声。寄り添うと、暖かくふわっとした空気が私達を包み、心が癒されます。戦後から今日まで幾多の困難を乗り越え、「喜如嘉と言えば芭蕉布」と言われるまでに築き上げてきた、平良敏子さん。
芭蕉布とは
「この芭蕉布着尺、本当にものすごく軽いんですよ。
ぜひ手にお持ちになってみてください。
手の平に感じられるしなやかさや軽さが、上質な自然布の証拠です。」
上質な自然布の、手の平に感じられる素材感というのは、自然布ならではの良さを実感させてくれるものです。店主 泉二は、お客様にもいつも実際にお手にとっていただき、実感していただけるようおすすめしています。
人間国宝 平良敏子
天然染料による染めと精緻な手織り、喜如嘉の芭蕉布はそのしなやかな風合いから世界にも類を見ない存在になっています。
その作品を作り続ける平良さんの仕事は、決して楽なものでも、また苦労が十分に報われるものでもありません。それでも輝くような笑顔で作り続けるのが平良敏子さんです。
伝統の織物が盛んな沖縄でも、糸から地元で作り、精練して織り上げるという織物は「喜如嘉の芭蕉布」だけになっています。
そして、これからも伝えられた人々の心にゆるぎなく根ざしていくでしょう。
実際に使う人の希望を取り入れ、敏子さんの体験的な知恵や色の応用によって今の街並みにも活き活きと映える芭蕉布が作り上げられました。
今回も、素晴らしい着尺とともに、店主泉二がお願いして作っていただいた男性の角帯も届きました。このまたとない機会をぜひお楽しみください。