泉二弘明のおすすめの逸品 菊池洋守作 八丈織 着尺「黒八丈 小さな市松」
2012年7月12日より、「八丈織 菊池洋守展」を開催させていただきます。 極上の無地。そう言葉にしたくなる上質な美しさを奏でる菊池洋守氏の八丈織。 綾織特有の美しい文様が生地に淡く浮かんだ無地感には、光を一心に集めてそこにとどめるかのような、不思議な力を持ちます。菊池洋守の八丈織は、光を纏うかの如く、身体の動きに沿って動きのある陰影が煌めく、極上の着物です。 淡いお色目から墨色までの希少な限定15反をご紹介します。 ぜひこの機会にお手にとってその美匠をご実感いただきたいと思います。白洲正子が愛した着物
菊池洋守さんは、昭和15年(1940年)八丈島生まれ。中学卒業後すぐに柳悦博に師事します。独自の色と風合いを持つ、着心地の良い手織物を追及されてきた菊池さんの作品は、柳悦博氏を介して出会った白洲正子さんにも愛され、白洲さんが銀座で経営されていた染織工芸店「こうげい」においても、作品が取り扱われていました。
菊池洋守の“黒”
今回ご紹介いたしますのは、菊池洋守の「黒」の着尺。
菊池洋守の「黒」は3年待ちと言われるほど、なかなか手に入らない大変貴重なものです。
泉二が秘蔵で持っていた黒を今回の催事でご紹介しております。
中でも「黒」は、菊池さんの作品がお好きな方にとっても垂涎のもの。
無地感のお着物でも、この無地は"菊池洋守の無地"とわかるほど、独自の織世界を築かれ、またお色が独特で、これほど上質さのあるニュアンスを出せる作家さんもなかなかいらっしゃらないでしょう。ドレス感覚、スーツ感覚でもお召しいただける、幅広くさまざまな場で映え、そして末永くご愛用いただける、とっておきのおきものです。