「花織」とは、沖縄の首里、読谷、南風原、与那国島、竹富島などで織られており、産地ごとに独自の織技法を確立してきた織物です。 浮織で、格子や縞柄の中に、小花模様や風車模様などが表現された、立体的な織り技法が美しく愛らしさもある伝統的な織物である「花織」ですが、今回は、そんな花織を男性にもお召しいただけるデザイン性とお色柄で、オリジナルで制作いたしました。裄の長い方でも十分な広巾でお召しいただける、読谷山花織の特別なひと品をご紹介いたします。
左から 与那国花織 広幅着尺、読谷山花織 オリジナル広幅着尺
こちらは、草木染めにより染色した糸を、手織りして織り上げた美しく上質な逸品です。 読谷山のお柄の中には、「銭玉(ジンダマ)」「風車(カジマヤー)」「扇花(オージバナ)」といった花文様が織り込まれております。
「○」のようなお柄が、「銭玉」。お金に困らずに生活していけるようにという思いを込めて。 「×」のようなお柄が、「風車」。沖縄では、数え年97歳に風車を持たせる(人は再生し童心にもどるという言い伝えから)という習慣があり、健康長寿の願いを込めて。
「▽」のようなお柄、こちらの作品では少しアレンジが加えられていますが、「扇花」は、末広がりで子孫繁栄の願いを込めています。 そんな素敵なぬくもりある願いが込めて織られる沖縄の伝統的な読谷山花織にモダンなニュアンスを添えて、【銀座もとじオリジナル】で新たに織りなしたひと品は、やわらかいベージュ色と、クリーム色、ほんのりとした薄緑の縞が織り出された生地に浮かぶ、点描のように繊細な花織模様。 こげ茶、茶おびた珊瑚色、白、橙、ベージュの花綜絖により「銭玉(ジンダマ)」と「風車(カジマヤー)」が小さなリズムを刻んで軽やかにあしらわれています。
歴史ある伝統の織技と人々の願いを込めて織り継がれてきた花織を、男性の方にもぜひお楽しみいただきたい、という思いを込めて制作いたしました。 色のコントラストをおさえ柄行も控えめなこちらのお品、無地感覚でお召しいただけ、幅広いコーディネートで、さまざまな着こなしをお楽しみいただけるかと存じます。ぜひ花織着尺の装いをご堪能いただけたらと思います。