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本格派素材を使用した、こだわりの創作根付け|創業者 泉二弘明のおすすめの逸品

創業者 泉二弘明のおすすめの逸品 本格派素材を使用した、こだわりの創作根付け

今月の泉二弘明のおすすめの逸品は、象牙や銀などの本格素材を用いた、こだわりの根付のご紹介です。 江戸時代初期、常備薬を持ち歩くために利用されるようになった印籠を、携帯しやすくするために、留め具を付けて、帯にぶらさげて歩くようになりました。その留め具が「根付(ねつけ)」として親しまれるようになりました。 江戸時代に人気を高めていった「根付」は、公家から武士、商人や町人に至るまで普及していく中で、象牙や蒔絵などが施された高級な根付も登場し、職人技の活きた芸術性の高いものも多く登場するようになりました。 ところが、幕末から明治にかけて、文明開化の流れの中で、それまで日本人が親しんできた文化的な価値が見失われ、浮世絵などと同様、多くの貴重な根付は、海外に流出してしまいました。その一方で、欧米には「Netsuke」コレクターが存在するほど根付に夢中になる愛好家たちもいます。 今回の逸品では、根付制作30年に及ぶ作家が、象牙を削り出すところから、銀の鋳造、銀象嵌、彩色に至るまでの全工程を、ひとりで手掛けた一点ものの作品の中から、4種類のこだわりの根付をご紹介いたします。 江戸時代の下絵図や古書に取材したモチーフやデザインには、江戸の粋が息づいています。年々入手が困難となっている希少な象牙を贅沢に用いて、高品質を保つために、厳しい湿度管理のもと数年寝かせた象牙のみを使用しています。

作品名:『蝙蝠(こうもり) 』 作品名:『蝙蝠(こうもり) 』
銀を「毛彫」にて仕上げた作品です。蝙蝠というモチーフを金属の硬質な質感を用いて表現したことで、クールな印象のひと品に仕上がりました。 緒締は象牙、帯挿しは象牙と黒檀の組み合わせに銀象嵌という、異素材を組み合わせた凝った仕立て。
蝙蝠が体を広げたシャープなフォルムは、帯から提げれば小さいながら全体の印象をきりりと引き締めてくれそうです。
艶やかに硬質な光を放つ銀細工の蝦蟇が、四肢を伸ばしてしがみつくその台は、なんと「マッコウ鯨」の歯。象牙とはまた一味違う、味わい深いあたたかみのあるアイボリー色。さらに反対面には黒檀で裏打ちされているという、大変凝った仕立てです。 蝦蟇の右上に見える赤褐色のワンポイントは、琥珀。
作品名:『蝦蟇(がまがえる)』 作品名:『蝦蟇(がまがえる)』
帯挿しは象牙と黒檀の組み合わせに、さらに銀象嵌がほどこされています。
作品名:『玉抱き甲烏賊』 作品名:『玉抱き甲烏賊』
大きく象牙を彫りだして作った大変贅沢な作品です。甲烏賊ならではの特徴的な「甲」が、まるで広い額のようにつるりと印象的に表現されています。 皺を刻んだ皮膚の質感と、苦々しい表情を浮かべて眼光鋭くこちらを見据える様子は、 まるで神通力を備えた仙人のような風格を讃えています。
烏賊は足が多く、日本ではお金のことを「お足」と呼ぶことから、金運アップのモチーフとしても知られています。
鬼胡桃を河童の顔に見立て、頭の皿と嘴には象牙を組み合わせてたデザイン。皿のまわりの髪の毛には銀細工があしらわれています。 古くから人々に親しまれている河童。水辺に棲みいたずらを繰り返していましたが、捕われ助けられたことで改心。
作品名:『河童』 作品名:『河童』
恩返しに農作業の手伝いや毎日魚を届けるなど、その家を富裕にしたと伝えられています。 薬籠をはじめ、懐中時計やたばこ入れなどを帯から提げて持ち歩く際のストッパーとして利用されていた根付ですが、現代ではお洒落のワンポイントとしてアクセサリー感覚で使われています。また、楊枝入れなど実用性も兼ね備えたものも人気があります。 様々なモチーフの造詣的な美しさとともに、「6つの瓢箪で“無病(六瓢)息災”」「お金が還る(蛙)」など、縁起を担いだ語呂合わせも選ぶ際の楽しみのひとつです。 小さな遊び心をピリリと効かせた根付で、お着物のお洒落に差をつけてみませんか。

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