創業者 泉二弘明のおすすめの逸品 銀座もとじオリジナル 服部綴工房 手織り 爪掻き本綴れ角帯「互縞段 墨紺×グレー」
今月の泉二弘明のおすすめの逸品は、手織りの爪掻き本綴れ角帯のご紹介です。西陣の綴れ織の名門 服部綴工房に、色柄などのデザインを指定してお作りいただいた銀座もとじオリジナルのひと品です。 服部綴工房は、国内の手織りにこだわる綴れ織専門の機屋です。しかもその手織りはすべて“爪掻き本綴れ”のみという、徹底したもの。 綴れ織は経糸を緯糸で包み込むように“綴って”織り進める技法で、経糸が見えないほどに緯糸を密に織り込み、文様は緯糸のみで表現されます。その綴れ織の中でも、より美しく、よりしなやかで締めやすく、高い技術が必要とされるのが“爪掻き本綴れ”と呼ばれる、こちらの帯にほどこされた技法です。 “爪掻き本綴れ”では、その名の通り職人さんの「爪」を使い、緯糸のひと目ひと目をギザギザに削った爪でたぐりよせるようにして整えながら美しい柄を織り出していきます。爪の力加減ひとつで線状美が決まるため、職人さんは毎朝“織り道具”のひとつである、自身の爪を綺麗に研いでから織り作業を始めるそうで、難しい柄になると1日に数センチメートルしか織り進められないこともあるという、大変な根気と高い集中力を要する技法です。こちらは、都会の街並みにも合う上質なセンスでコーディネートをお楽しみいただける、銀座もとじオリジナルでおつくりした爪掻き本綴れの角帯です。墨紺にグレーの横段模様が表情豊かに織り出されたモダンなデザインの一品。太い畝を感じる市松風の横段もあれば、細縞をなして織られたものもありと、バリエーション豊かな織り模様が目を楽しませます。
これまで綴帯は、礼装用などの格の高い位置付けの帯として知られてきましたが、実はとても締め心地の良い帯で、ゆるまず、くずれにくく、しわになりにくく、かるい、という特徴を持ちます。礼装用に限らない、現代の街並みもに合ったお洒落なデザイン性のひと品は、幅広いシチュエーションでお役立ていただけます。長時間締めていても楽な帯ですので、歌舞伎の観劇などにも最適です。