仕立てに関する基礎知識
着物は着る人の身体にぴったりと合った寸法で仕立てることで、着易さも着心地も格段に良いものとなります。当店では、採寸用の見本着物を試着していただき、必要な差異を確認しながら、丁寧にお体の各部寸法を測らせていただきますが、和服では洋服のサイズ把握とはかなり異なる部分が多いため、ご自身のサイズを覚えておかれるとよりスムーズに適切な寸法を捉える事ができます。そこで、ほんのごく一部ではありますが、ここでは仕立てに関係する基本的な事項をご紹介いたします。身丈(みたけ)
身長に応じた、着物の長さで、着物を着ていない状態で測ったサイズです。「身長-25cm」が一つの目安ですが、あくまでも体型に応じて誤差を修正する配慮が必要となります。男性の着物は「対丈(ついたけ)」と言って、女性のようにおはしょりをとらず、着物を羽織った時の長さがそのまま着丈になるようになっていますが、着物を着て帯を締めると若干裾が持ち上がりますので、「身丈>着丈(着物を着て帯を締めた時の寸法)」となるようにします。裄(ゆき)
着物の袖巾を決めるための長さで、着物の背中心から袖先までの長さを裄といいます。袖の縦方向の長さは「袖丈(そでたけ)」といいます。いずれも身長から割り出すことも可能ですが、体系に応じてバランスのよい寸法を決めます。裄は洋服の袖丈よりも短いのが普通です。特に長襦袢の裄は、ワイシャツと違い、袖口が着物からはみ出ないように寸法を調整しますのでご注意ください。身幅(みはば)
着物の胴回りのサイズを決める寸法のこと。前後で少し長さが違います。着物の着具合に大きく影響する部分です。着るときに多少の誤差は調節できますが、極端なサイズ違いは落ち着きませんので、窮屈すぎず、大き過ぎず、ややゆったりめの寸法を目安に決めていくとよいでしょう。単(ひとえ)
浴衣のように裏地をつけないで仕立てた着物の総称を単(単衣)といいます。夏の着物は単仕立てになりますが、季節はもちろん、夏物以外の生地では、単にすると軽くサッパリとした着心地が楽しめますので、お好みで選択していただけます。袷(あわせ)
裏地をつけて仕立てた着物を袷といいます。秋冬用の着物なら袷にするのが一般的ですが、温暖化の激しい今日では、胴抜き仕立てといって、背中部分の裏地を付けない仕立てを選ぶ方も多くなりました。裏地の種類や仕立てのポイントは他にも色々とありますので、ご納得のいくまでご相談下さい。半衿(はんえり)
長襦袢や半襦袢の衿に付いている白や色の掛け衿を半衿といいます。この半衿は汚れたり、色を変えたいときには取り外して交換することができます。襦袢の半衿の色は、表に着る着物の色とのコーディネートの大きなポイントとなります。安心感のあるのは同色系の濃淡による組み合わせですが、お好みに応じていろいろな色を合わせながら、楽しく色選びを。男のきもの WEB講座 一覧
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