基本的な和服の手入れ
和の文化を生活に取り入れる人が増えている中、嬉しいことに着物を愛用する人々も非常に増えてきています。
洋服と違い、正絹素材が中心となる着物は、着用後のお手入れにも多少の心得が必要です。
和服の手入れは「その日の汚れはその日のうちに」が基本です。
正絹の外出着などは、最低でも次のことを習慣にしておくと着物が長持ちします。
まず、着物を脱いだら、まずは軽くホコリをはらってから衣紋掛け(ハンガー)にかけ、半日程度干しておきます。
型崩れを防ぐため、針金ハンガーやフック等に直接引っかけるのはやめましょう。
着物を吊るしておくのは、染み込んだ汗を自然に乾かすことと、しわを自然に伸ばすためです。
角帯などの帯も、床につかない程度に折り畳み、同様にハンガーなどに掛けて吊るしておきます。
次に、ブラシなどでホコリを丁寧にはらいます。
使用するブラシは巴帚など和製のミニ箒が適しています。
薄い正絹の着物などなら、柔らかいタオルなどで軽く叩いて拭き取ればいいでしょう。
ブラシのかけ方は、基本的に布の折り目に沿ってかけますが、表面が複雑なもの(縮緬地などシボがあるもの)は、斜めにブラシをかけます。
シワが気になる場合は、必ず手拭いなどの当て布をしてからアイロンをかけます。
アイロンの温度は素材に合わせて必ず設定を確認しましょう。
日常的な汚れでは、特に汚れやすいのは袖口と裾、そして衿です。
特に長髪の男性は髪の油分による汚れが染み付かないように注意しましょう。 一枚の着物をカタキのように毎日着るよりは、複数枚の着物を着回す方が長持ちします。
これは、長襦袢や足袋にも同じ事が言えます。 ウールや木綿のきものは家庭でも洗濯できますが、シーズンオフに一度くらいドライクリーニングすれば気持ちよく着れます。
正絹の着物も汚れが目立つようなら、できればシーズンオフに一度、丸洗いに出すようにしましょう。
汚れ・しみがついたら、可能な限り早く適切な処理を施すことが肝心です。 液体類をこぼした時などは、ハンカチかティッシュペーパーでそっと上から押さえて吸い取ります。
強く押さえると、繊維に染み込むので逆効果です。また、絶対に慌てて強くこすらないことです。
お酒やビールなども、すぐにその場でぬるま湯で叩けば、ほとんど目立つほどのしみにはなりません。
家庭でできるしみぬきは、あくまでもそれほどひどくない場合に限りますが、どんなしみ・汚れも、まずは水で拭いてみましょう。
水だけで落ちるようなら洗剤などはなるべく使わないようにします。
次に、水だけできれいにならない場合は、中性洗剤などを薄めて使います。
無理にこすらずに、軽くつまみあげるように拭き取ります。
これを何度か繰り返してみて効果がないようなら、油性のしみですから、ベンジンなどの薬剤を使用して溶かし出して拭き取るという方法を使います。
自己処理が不安な場合は専門家に任せましょう。
専門家に出す場合は、必ずしみをつけた場所、つけた日、何をつけたかを伝えます。汚れたときに忘れずメモしておくとよいでしょう。
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