釘を使わない伝統的な木組みで作られた、
奄美大島で実際に長年使われていたものです。
大小の多数のパーツを、
専用の木槌を使って組み立てていきます。
全体と左右のバランスを見ながら、慎重に木槌で打ち込み、
土台となる木枠の組み立てが完了!
「今日は力仕事を男性にしていただいて助かりました」
今回の体験会でレクチャーさせていただく織り手の伊藤は
自宅にも2台の織り機を構えており、
織り機の構造や組み立てを熟知しています。
通常産地では、織り機が最初に組み立てられた場所から移動することがないため
織り手の方が機の組み立てをする機会はほとんどないそうです。
精緻な絣柄を織る大島紬では特に、機の歪みは致命的ですので
大島紬の織り機は、よく乾燥させた木材で作られます。
「大島の機は、よく燃えるらしいですよ」
その昔、奄美大島では各自宅に織り機があり、
通りにはいつも機織りの音色が流れていた時代がありました。
時代の変化により織り手が減り、
使わなくなったたくさんの織り機が、引き取り手なく燃やされたといいます。
細かい部品を取り付け、
経糸をセッティングして、完成!
柄の染められた絣糸と、無地の地糸が交互に上下し、
その2種の糸の間に緯糸を滑り込ませ、織り込むことで、柄が作られていきます。