日本に伝存する最古の歴史書である『日本書紀』(奈良時代)には、「海見嶋」「阿麻弥人」といった記録が残されているそうです。これらは、現代の読み方では、「あまみしま」「あまみびと」と読めるでしょうか。
これらが、現在の奄美大島のことを指すとしたら、南西諸島に浮かぶ奄美大島は、遠い昔の日本を知る歴史のある島であることがうかがえます。
奄美大島を代表する植物、アダンの木々。海岸近くに生え、パイナップル形の実をつける。
養蚕跡地。奄美大島龍郷町秋名集落。
古代の奄美の国創りの神話 によれば、本土から技術者が奄美に使いに出され、様々な技術が伝えられた中に「養蚕」、「機織」、「裁縫」などがありました。実際に糸に撚りをかける紡錘車や布目のある土器などの弥生時代(紀元前3世紀~紀元後3世紀)の出土品が奄美の笠利町や竜郷町の遺跡から発見されています。考古学的にもここ奄美の地に、紀元前より養蚕や機織の技術が存在していたことは確かなようです。