引き算の法則で
伝統的かつシンプルに
「前田紬工芸」について
「引き算の法則」を念頭に置いた伝統的かつシンプルなデザインが特徴で、着物をお召しになる方が美しく、コーディネートがしやすい大島紬を制作。泥大島の他、白大島や藍大島、男柄の広幅、夏大島などバリエーション豊富に作られています。
二代目となる前田豊成社長は店主・泉二の幼馴染で、泥染め・締機・織りの技術のリレーで作る本場奄美大島紬の全体を束ねるリーダー的存在。次期三代目の前田圭祐専務は、多くの伝統工芸士の間に立ってものづくりを進める役割を担い、次世代を育成する「本場奄美大島紬NEXTプロジェクト」の中心メンバーでもあります
前田豊成社長と前田圭祐専務
前田紬工芸さんへインタビュー
1.大島紬の魅力をひと言で言うと?
社長:
軽くて暖かくて着やすいところ。自然のもので手仕事で生まれた織物。大島紬は生活の一部です。
圭祐さん:
奄美の先輩たちが作ってきた技術、技法を今も作れているのは、人と人との繋がりがあって出来ているもの。奄美の歴史、文化、生活、自然全てが詰まっているものだと思います。
2.前田紬工芸さんならではのこだわり
社長:
デザインで大切にしていることは引き算の法則。着る人を美しく引き立たせるのが着物。着物が着る人より前に出てはいけない。シンプル(単純)はごまかしが効かないが、シンプルが一番良い。デザインアイデアは壁紙やタイルや石畳など、生活様式の中から見つけている。
また昨年より組合から働きかけて地元の小学校、中学校に図案コンテストを開催しています。子どもたちの絵はとてもいいですよ。
圭祐さん:
着てくれる人が楽しんでいただけることを目指してものづくりをしています。龍郷柄や秋名バラ、西郷柄といった伝統的なデザインを大切にしています。織手さんがいるからこそ出来ているが、作り続けることは結構大変なこと。作り続けないと技術が途絶えてしまうので、伝統を大切にしながら新しいものを取り入れるようにしています。
3.奄美大島の魅力
社長:
奄美大島は全部好き。とにかく海。奄美のきれいな海が恋しくなって丁稚から奄美に帰った。好きな場所は戸口のアヒン浜。倉崎海岸の海の色は特にきれいです。お料理は「喜多八」と「なつかしゃ家」が最高です。集落ごとに8月に歌ったり踊ったりする八月踊りの文化もとても良いです。
圭祐さん:
奄美の好きなところは人がすごく良いところ。奄美の沢山の人に育ててもらったし、いまもずっと続いている。ご飯食べていきな、魚とれた、野菜取れたなど、人とのつながりがあります。おすすめの場所は大浜海浜公園。海と夕日と水族館があります。なつかしゃ家は第二のお母さんの味です。特にハンダのご飯が自分も子どもたちも大好きです。黒糖焼酎は「長雲」と「高倉」がおすすめです。
4.銀座もとじについて
社長:
銀座もとじの冒険ってすごいなぁ。男店をオープンするときは反対しましたが、成功したのはすごいと思う。
5.お客様へのメッセージ
社長:
ぜひ大島紬を着て里帰りに来てください。季節は3月、11月、12月がおすすめですよ。
圭祐さん:
お客様がどんな着こなしをしてくれるのか楽しみです。大島紬の魅力、特に美しい絣技法を特に注目して再認識していただけたらうれしいです。里帰りをお待ちしています。
前田紬工芸さんおすすめの大島紬
夏大島紬「亀甲絣」
現在縦横絣の夏大島は糸の性質上絣合わせが困難なため奄美でも大変希少になってしまいました。
この作品は更に一元絣を使用することで大島本来の絣の味わいを表現することができました。
大島紬 「正藍染 切ばみ (7マルキ)」
細かい絣柄で切ばみを表現しました。
藍で染めた後に泥に通すことにより色に深みを出すことができました。
大島紬「泥大島 大洋花」
大きな花柄を刷り込み染色により表現しました。
大島紬「正藍染 龍郷1釜」
伝統的な龍郷柄を現代風にアレンジしたものとなっております。
一元絣を使用することで柄が遠目から見てもはっきり見えることが出来ます。
奄美大島日本復帰70周年記念
春を纏う大島紬特別展
奄美群島は、1953年12月25日に日本復帰を果たして、70周年の節目の年を迎えます。創業者泉二弘明の故郷でもあり、私たちは「大島紬の復活と可能性」 を信じ、大島紬の魅力をこの銀座の地から全国へ発信することを使命として、産地との強い繋がりを活かした豊富な品揃えと適正価格でご案内して参りました。
「素晴らしい技術を絶やさず、後世へ繋げていきたい」新社長泉二啓太の思いも込め、泥大島の他、白大島や藍大島、男柄の広幅、夏大島など魅力あふれる選りすぐりの商品を多数揃えました。
皆様のご来店をお待ち申し上げております。
会期:2023年3月10日(金)~19日(日)
場所:銀座もとじ和織、男のきもの、オンラインショップ