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型絵染作家・釜我敏子~切磋琢磨し合う工芸家が活躍する九州という土壌で~

型絵染作家 釜我敏子さんの生まれ育った九州の地には、多くの素晴らしい工芸作家の方々がご活躍されています。その九州の土地で、染織の世界にご興味を持たれていた釜我さんを「型絵染」の世界に導いた出逢いがありました。

鈴田照次さんの作品との出会い

日本工芸会正会員でいらっしゃる型絵染作家の釜我敏子さんが工房を構える九州には、木版摺更紗の故 鈴田照次さん、ご子息で木版摺更紗の人間国宝となられた鈴田滋人さん、博多織の人間国宝 小川規三郎さん、小倉織の築城則子さん、久留米絣の松枝哲哉さん・小夜子さん、その他にも陶芸の人間国宝 井上萬二さん他多くの陶芸家もご活躍されてきた工芸の大変盛んな土地柄です。
型絵染 プラチナボーイ 絵羽「忘れな草」 型絵染 プラチナボーイ 絵羽「忘れな草」
特に釜我敏子さんは陶芸も愛好されていらっしゃって、色彩感覚や透明感や質感など作風にもどこかその影響が感じられます。 型絵染の世界に入るきっかけとなったのは、鈴田照次さんの作品との出会いでした。限られた世界に無限に広がるかのような美しい型絵染作品にすっかり魅了され、「型絵染」の世界に入られます。鈴田先生は、釜我さんが毎年のように出品していた日本工芸展での出展作品について、いつもご意見をくださったそうで、それは本当の意味で己を知ることにつながった、有り難いご経験だったそうです。 日本工芸会正会員になって数年後、鈴田照次先生が亡くなられたとき、お葬式の時に奥様がおっしゃられた、貴重なお言葉があったそうです。 「主人がこのように申しておりました。『やっと九州にもボールを投げたら投げ返してくれる人が現れた』と。」
鈴田照次氏写真(鈴田工房ギャラリーに展示) 鈴田照次氏写真(鈴田工房ギャラリーに展示)
釜我敏子さんは、どれだけの弛まぬ努力もあきらめずに前に進む根気や負けん気も、妥協を許さない芯の強さも表には表れることなく、美しくしなやかに生きていらっしゃる印象をお会いする度に持ちます。 それでいて、やはり人一倍の弛まぬ努力が常にあり、より高みを目指しながら、確かな実力を身につけ、素晴らしい作品を沢山生み出してこられた釜我さんは、その鈴田先生の言葉を聞いて、涙が出たそうです。
鈴田先生の作品との出会いによってこの世界に導かれ、工芸作家として染織の世界へも貢献してこられた釜我敏子さんにとって、誰よりも鈴田先生のそのような言葉こそ、心に沁み渡るものだったことでしょう。

自分の生き方、有りようが作品を通して出てくるもの

釜我さんは、自分の生き方、有りようが作品を通して出てくるもの、と考えていらっしゃいます。そのために、常に素直な心と感動する心を持ち続けることを大切にし、心がけていらっしゃるそうです。 女優の檀ふみさんが、釜我敏子さんの作品について、「作品とご本人のイメージが、これほど近い人もいないのではないかと思う」と、この度の釜我敏子さんの催事開催に向けてメッセージをお届けくださいました。
【47回伝統工芸染織展入選作品】型絵染 (夏もの)絵羽 「風船かずら 総柄」 【47回伝統工芸染織展入選作品】型絵染 (夏もの)絵羽 「風船かずら 総柄」
まさに、作品は釜我さんの心そのもの。まるで作品に描かれた野の草花が、こちらに優しく頬笑みかけてくるようです。

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