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長板中形・松原伸生~新作の制作に向けて「プラチナボーイ」「もとじ綿」に染める型紙選び~

2013年1月11日 新作の制作に向けて「プラチナボーイ」「もとじ綿」に染める型紙選び 2013年5月、銀座もとじにて3度目となる長板中形の藍型染作家 松原伸生さんの「銀座もとじ 和織・和染」「銀座もとじ 男のきもの」での作品展の開催が決定いたしました!“一本の糸から”素材にこだわった、顔の見えるものづくりをご紹介いたします。
昨年秋、千葉県君津市の松原伸生さんの工房を訪れた際に、松原さんが集められている沢山の型紙を見せていただきました。次回の5月開催予定の作品展で、2度目の制作となる「プラチナボーイ」の白生地、そして今回初めて制作いただく「もとじ綿」の生地、それぞれの素材の特徴から、どのような型紙が適するかという点も考えながら、型紙のデザイン選びを行いました。
松原伸生さんとプラチナボーイ

沢山の型紙の中から

型紙
松原さんに見せていただいた型紙は、どれも魅力的なものばかりで、藍と白のコントラストの美しい染め上がりを想像しては、あれもこれもと欲張りたくなり、選び抜くのは一苦労です! この日、沢山の型紙の中から、約30枚ほどの型紙をこちらで選び、さらに社内にても厳選し、松原さんに制作いただくものとして男性向け、女性向けにそれぞれに決定いたしました。今回のレポートではその型紙を2点ご紹介いたします。
長板中形と帯のコーディネート

プラチナボーイの素材が活きる型紙

前回のレポートでご紹介したように、プラチナボーイについて、松原さんは、しっとりとした本当にいい生地であり、織り目正しく、体に寄り添うように馴染む品のある素材だとおっしゃってくださいました。とくに顕著に表れる光沢感、プラチナボーイの生地の光り方の良さを活かせるもの、として選んで下さったが型紙がありました。
松原伸生さんとプラチナボーイ
それがこちらの蔦(ツタ)のデザインのものです。 突き彫りで制作されたこちらの型紙、彫り抜かれているところの葉脈の分かれ方が見事な、切れ味に立体感のある一枚。
型紙
道具を動かしながらサクサクと彫刻していく手技の凄さが顕著な作品です。 蔦の線と線の重なりの多さ、繊細さ、大変見事な格の高いこちらの型紙、ぜひプラチナボーイに染めてみたい、と松原さんがおすすめくださった一枚でした。力強い存在感のある、大変な手間暇をかけて彫られた精緻な型紙による、プラチナボーイ生地での作品の仕上がりをどうぞ楽しみにお待ちくださいませ。
※「突き彫り」とは・・・ 伊勢型紙について、下記ページに、「突き彫り」ほか、型彫りの技法についてご紹介しています。

極上の綿素材、「もとじ綿」でのはじめての作品作り

蔦の型紙を含め、何点かの型紙を厳選しております。また、今回初めての作品制作の素材となる「もとじ綿」に選んだ型紙も一点、ご紹介いたします。
「もとじ綿」とは、極細の木綿糸を使用して、綿用の機ではなく、絹用の機で織り上げた、銀座もとじオリジナルの綿布。今までの"綿"のイメージとは全く違う、さらさらと肌に軽く大変しなやかな風合いで、手触りが何ともしっとりと心地よいのが特徴の極上の綿素材です。 「もとじ綿」の男性用の作品に選んだ型紙の一枚は、大変粋なデザインの幾何格子の型紙。たてによこに、縞のようにも見え、アーモンドのような型の中に長方形を配し、その中を十字が横切る格子柄は、大変粋さのあるお洒落なデザインです。
型紙
こちらの白場には、うっすらと生成りがかった綿素材の地色がいき、これまでの長板中形と一味違った藍とのコントラストの染め上がりとなりそうです。 ぜひ、5月開催予定の「銀座もとじ 和織・和染」「銀座もとじ 男のきもの」店にての催事での作品のご紹介をお楽しみにしていただけたら嬉しく思います。

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