最初は貴重な200年前と100年前、40年前の織物3点を見ていただき、ゲーム形式でどれが一番古いかを挙手で投票。その後、今度はその3枚のうちどの柄が一番綺麗かを質問。それぞれが考えたところで「織物の歴史と成り立ち」のお話を頂き、これらの3点をなんと! 直に手にとって見せていただきました。
200年も前の貴重な織物を「丁寧に扱えば裏返してみるのも良し。触って織り目を見るのも良し。」とびっくりするようなお許しを頂いて、皆さん大感動。
神護寺一切経秩
お話はどんどん進み、東大寺の二月堂のお水取りに使われる和紙を染めてつくられた椿の花やそれを染める紅花を用いた「シャネルの日本限定紅花の口紅」、インドカシミールの織物、コプト織、アンデスの織物など次々と見せていただきました。
続いて、浅野氏の創作の源となった谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」の話から、「美は物体にあるのではなく、物と物の作り出す陰影の中にある」から「帯と着物が互いに作り出す“あや”の美しさ」を求め、「帯にも単純な軽さではなく質量のある織物を目標としている」こと。
今回のテーマは「単純な白黒ではなく、その色調は色であり色でなく、白は何もない純粋な“素”を表し、黒はすべてのものの本質を表す「玄」「」を目指したこと」などお話頂いて、帯の図案から帯完成までの経過をお話いただきました。
インドマハラジャの帯
筆・おはしのコレクション
美しい孔雀の羽の筆が印象的
美しい孔雀の羽の筆が印象的
最後は、浅野氏のお父様が集め続けたと言う「3段の重ねられたおはしのセット」、そして「筆のセット」などを見せていただきました。この中には、天皇陛下の使っていらっしゃるお箸と同じものなど貴重なものが有り、こちらも息を呑むばかりでした。
貴重な品々をとりあえず回りに片付けさせていただき、ワインとカツサンド、チーズで軽く乾杯をしていただきながら質問をしていただきました。
今回、定員オーバーで参加できなかったお客さまや、また新しいお話ができる機会があれば、うれしいかぎりです。ありがとうございました。」と感謝の言葉を頂いています。
翌日は、また重たい貴重品を抱えて京都に戻られました。
遅い時間の開催にも関わらず、多数のご出席を賜り誠にありがとうございました。
裂帖
・神護寺一切経秩
・法隆寺伝来 蜀江錦
・裂帖
・龍村復元時代裂帖
・16C ゴブラン織のタペストリー
・17C キリストの細密タペストリー
・コプトの織物
・アンデスの織物
・インドサリー
・ダッカコットン
・インドマハラジャの帯
・艶紅
・シャネルの口紅37AKA
・雁皮紙・三椏紙・楮紙
・もみ紙
・藤田嗣治使用のキャンバス
・古梅園の墨色見本
・筆・おはしのコレクション
・織楽の素と玄の色の絹糸
・図案と紋図
以上