銀座の柳染めと泰明小学校
2018年5月22日、柳の新芽が銀座の街を爽やかな緑で染める季節、今年も泰明小学校の5年生を対象に行われる「柳染め課外授業」がはじまりました。 柳染め授業は「柳の剪定授業」「銀座の柳の歴史を学ぶ授業」「柳染授業」の3回で構成され、全3回を通じて、命の大切さとものづくりの楽しさを学びます。 「銀座の柳染め」は代表の泉二が銀座ならではの地域に密着したものづくりがしたいと、23年前に当時構えていた店の前にあった柳通りで毎年初夏に剪定される柳をみて若葉を活かした草木染を試みたのが始まりです。 泰明小学校とのつながりは二代目・啓太がこの小学校に通っていた頃に遡ります。 「着物って何からできてるの?」 息子やその友達が知らなかったことに驚くとともに、「息子だけではなく、息子と同じようにお蚕さんが吐いた糸から絹ができているということを知らない人が世の中にたくさんいるはずだ」そう考えた泉二は店を2週間休み、 店内に蚕棚を作り、蚕を育て、絹が出来るまでを店に訪れた人が誰でも自由に見れるように開放しました。泰明小学校の生徒たちも見学に訪れ、そのご縁が銀座の柳を使った柳染めの体験学習を行うことにつながりました。植物から命をいただく「剪定授業」
1998年にはじまった柳染めの授業はお蔭様で今年21回目を迎えました。 泰明小学校にある柳は由緒正しい銀座生まれの柳で、現在3本の柳の木が泰明小にはあります。 正門脇の柳は明治時代に銀座に植えられた初代の柳から株分けされたもので「銀座の2世柳」と呼ばれています。そしてこの2世柳から株分けされた「3世柳」校庭の職員室脇と小公園奥にあり、今回は三世柳の枝と葉を剪定して、柳染の染料をつくりました。
子どもたちはみんなやる気いっぱい。スタッフが長いハサミで枝をざっくり切ると、皆それを両手に抱えてグラウンドに持っていき、煮出すために10cm位に細かくカットします。カットした柳はビニール袋の中へ。パンパンになったビニール袋を持ち上げると、ふわっと新鮮な柳の香りが漂います。
自分の手で刈って、集めて、私たちも「命をいただく」という作業を生徒と共に行うことで、改めて自然に感謝しました。本日の授業はここで終了です。
午後はスタッフたちで、柳の煮出し作業です。大きな寸胴鍋を4つ。その中にさきほどカットした柳の葉と水をこぼれんばかりに入れ、煮ること約2時間。