今年は5月22日に柳の剪定をしました。気温27度の陽射しのまぶしい日に、 店主泉二とスタッフ総勢10名で泰明小学校に出向きました。
まずは、生徒60人あまりとスタッフが講堂に集合して、店主泉二による剪定時の注意に耳を傾けます。
わくわくした笑顔で校庭へ。泰明小学校には二つの柳があります。校門の横にある柳の背は、 校舎の3階部分まで届くほど。 でも今年は陽気がよく、あまりに長く伸びてしまったため少し前に区に剪定をしてもらったそう。 残っていた高い部分を、スタッフが教室の窓や校門の上から長いハサミでざっくり切ると、 下で待ち受けていた生徒たちが わーっと一斉に駆け寄ってきて、次々と葉を持っていってくれます。上から降ってくる柳をつかむのがおもしろくて、 大きな枝を手にすると嬉しそうに高く掲げながら校庭を元気に走り回っていました。
校庭の職員室前にある柳はちょっと小ぶりのサイズ。校門の柳を挿し木にして育てた柳の木です。 こちらは生徒たちが手が届きやすいので、一列に並んで順番に刈っていきます。 スタッフがちょっと引っ張って、その先を生徒たちがチョキチョキ。 今年は自分の手で刈れる柳が1本だけなので、みんなで少しずつ分け合います。
そして、しっかりと太い枝はバケツにまとめます。
これは翌日、泉二が故郷の奄美大島へ持っていく分。 母校である大勝(おおがち)小学校で挿し木をして銀座の柳を育ててもらうのです。 そして大勝小学校から泰明小学校へは大島紬の泥染めで使っている粒子の細かい泥を送ってもらいます。 奄美大島と銀座、ふたつの小学校の交流です。
午後はスタッフたちで、柳の煮出し作業です。大きな寸胴鍋を4つ。その中に さきほど刈った柳の葉をこぼれんばかりに入れてひたひたの水で煮ること約2時間。 途中何度か蓋をあげておたまでかきまぜると、その度に色が濃くなっていきます。 黄色がかったような透明な茶色。この作業を2回分、寸胴鍋8つ分、約18ℓの染液が出来上がりました。 これを使って「銀座の柳染め」実習をします。