第一弾「あこがれの結城紬」
初夏を思わせる快晴の4月某日、店主・泉二が、結城紬の産地、茨城県結城市にお邪魔いたしました。 古くから織物が盛んだった結城地方では、農閑期に副産物である真綿の利用として紬が織られてきました。奈良時代には、朝廷におさめていたとのことですので、その歴史の長さが伺われます。昭和31年には、国の重要無形文化財に指定され、一枚はほしいあこがれの着物として愛されてきました。重要無形文化財としての指定条件は、以下の3点です。 1.使用する糸は総て「手紡ぎ」であること。 2.絣模様は「手括り」で行なうこと。 3.地機で織ること。 その職人技たるや、泉二も舌を巻く匠の技です。糸紡ぎの技
唾液で適度な湿り気を与えながら、ほそくほそく均一に紡いでゆきます。太くなってしまっては、織り上げたとき、厚い布地になり着心地が悪くなってしまいます。ほそくしようと頑張るとふっつりと途切れてしまいます。泉二も教えていただきながら紡いでみましたが、ものの1分と経たずにギブアップでした。
紡いだ糸は、この写真のようにほそくながく、純白です。一反分を紡ぎだすのに、1?2ヶ月かかるのだそうです。
糸括りの技
糸をぴんと張って、括っていきます。
絣の図案とあわせて括り具合を確認。
図案と括りが見事にぴったり。
糸染めの技
染めの工程です。銀座もとじオリジナルの「銀座の柳」で染めてくださっている工房にお邪魔しました。ほかにもさまざまな草木をもちいて染めていらっしゃいます。桜を染める時は、桜餅のようなよい香りがするのだそうです。
藍染の釜です。何度も何度もひたして、すばらしい藍の色をつくりだしてゆくのです。
地機の技
いよいよ織りの工程です。腰にベルトを廻して、調整しながら織ってゆく伝統の技法です。熟練の技が求められる高度な技術です。銀座もとじオリジナルの銀座の柳染の結城紬を織っていただいてる真っ最中です。