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《今年で26年目》毎年恒例の泰明小学校「銀座の柳染 課外授業」を行いました。

1998年にスタートした泰明小学校での「銀座の柳染 課外授業」も今年で26年目を迎えました。銀座で成長していく子供たちに、自然の命をいただき美しい色を身にまとう文化と「ものづくりの楽しさ」をお伝えし、自分が生まれ育った街を慈しむ心を育てていただけたらと始めたものです。

この課外授業は毎年5年生で実施します。1回目の授業は校庭での銀座の柳の剪定、2回目は銀座の柳の歴史についての講義、3回目は1回目に剪定した柳を煮出し抽出した染料で、ハンカチと各クラス1反の反物を染めていただきます。

第1回 柳の剪定

2023年6月初旬、第1回目の授業となる柳の剪定を行いました。泰明小学校内にある柳の枝や葉を刈り取り、煮出しやすくするためにハサミを使い細かく断裁します。今年は例年に比べ、柳の成長が遅く剪定できる量が少な目ではありましたが、子供達が丁寧に葉を集めてくれたおかげで、袋の中の枝葉はみるみるうちに増えていきます。
柳からいただいた命を無駄にしない、校庭に落ちた葉っぱを一枚も残さないように声を掛け合って拾い集めます。

刈り取った枝葉は、その日の午後のうちに、銀座もとじスタッフが大きな寸胴鍋で数時間煮出して染料作りを行いました。3回目の授業にてここで抽出した染料を使いハンカチを染めていきます。

第2回 歴史の授業

この日は店主 泉二啓太が先生役となり、銀座と柳の歴史の授業を大講堂で行いました。
柳が銀座のシンボルになり、現在に至るまでの歴史を沢山の史料を見せながら子供達に紹介していきます。

かつて銀座には「さくら」「松」「もみじ」の街路樹が植えられていましたが、埋立地で土壌の水分量が多いためうまく育ちませんでした。そこで水に強い「柳」が選ばれ、やがて柳の街路樹は銀座を象徴する風景に。

しかし関東大震災や太平洋戦争、さらには戦後の都市開発により「銀座の柳」は消滅。昭和59年、かつての風景を惜しむ有志の方々の活動により、日野市に移植され唯一残っていた銀座生まれの柳の枝を挿し木で育て、成長した物を「二世柳」として銀座の街に植え直しました。

現在、泰明小学校にある柳はこの「二世柳」と、さらに枝分けした「三世柳」になります。

子供達はメモを取りながらも、泉二の話や銀座の昔の写真に驚いたり、うなずいたり新鮮な反応を示してくれます。
授業後の意見交換では、「柳が何度もなくなっても復活して今も銀座の柳としてあるのは奇跡だと思いました」など、銀座の柳を大切に思う言葉が交わされました。

次回はいよいよ「染め」の授業です。

第3回 染めの授業

最終回は「染め」の授業です。先生を務めてくださるのは、草木染色家・山崎広樹さん。昭和初期に「草木染」という言葉を作った山崎斌(あきら)氏から続く「草木染の山崎家」の四代目であり、銀座もとじの「Hirakiプロジェクト」他、草木染を通じて様々な活動をされています。

泰明小学校 柳染課外授業 染めの授業 大勝小学校とのオンライン交流

授業は大勝小学校とのオンライン交流からスタート。
「大勝小の好きな給食メニューは何ですか?」
「鶏飯です!」
「僕たちは揚げパンです!」
銀座と奄美大島、遠く離れていても子供たちは一瞬で仲良くなれます。

泰明小学校 柳染課外授業 染めの授業 泉二啓太 泥染め

今日のために、奄美大島からは泥染め用の泥が届きました。草木染のきれいな色彩は、植物の色素と媒染剤の化学反応によるものです。柳の染液に浸したハンカチは、アルミ媒染で黄色、銅媒染でオレンジ色、奄美の泥にも含まれる鉄分の媒染でグレー色に染まります。

泰明小学校 柳染課外授業 染めの授業 山崎広樹さん 

子供たちには事前にハンカチ3枚が渡され、1枚は自分に、1枚は家族や大切な人に、最後の1枚は大勝小のお友達へのプレゼントになります。

綿のハンカチの他に、銀座もとじからは各クラスに絹の反物をプレゼント。山崎広樹さんが柳の染液で下染めしてくださった長い長いキャンバスに、媒染材で絵を描きます。学校の校章や柳の木、熊や小鳥、人気のゲーム機など、自由な発想で楽しい模様が染められました。反物はこれから「蒸し」の工程を経て色を定着させ完成します。

泰明小学校 柳染課外授業 染めの授業 ハンカチ染め上がり

泰明小学校 柳染課外授業 染めの授業 反物 

またこの日はスペシャルゲストとして、数年前に柳染課外授業を受けた卒業生もお手伝いに駆けつけてくれました。柳染めをきかっけに銀座もとじのファンになってくださり、今は難関大学で建築を学んでいます。

古来より私たちは自然と共生し、自然の命から美しい色をいただき暮らしてきました。今回の柳染課外授業が、子供たちの視野を広げ、自然と郷土への愛を育み、豊かな心の成長に少しでも寄与できたらと願っています。

「銀座の柳染」について

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時事通信社「地方行政」2020年2月3日号
銀座から、新しい「着物時代」を創り出す(2)
「銀座の柳染め」で地域貢献活動を


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