《今年で27年目》令和6年度泰明小学校「銀座の柳染課外授業」を行いました

1998年から始まり、今年で27年目を迎えた「銀座の柳染課外授業」。
銀座で唯一の以小学校である泰明小学校の子供たちに、自然の命をいただき美しい色を身にまとう文化と「ものづくりの楽しさ」をお伝えし、街を慈しむ心を育てていただけたらと始めたものです。

この課外授業は毎年5年生で実施します。1回目の授業は校庭での銀座の柳の剪定、2回目は銀座の柳の歴史についての講義、3回目は1回目に剪定した柳を煮出し抽出した染料で、ハンカチと各クラス１反の反物を染めていただきました。

第1回「柳の剪定」

泰明小学校にある柳は由緒正しい銀座生まれの柳で、現在2本の柳の木が泰明小にはあります。正門脇の柳は明治時代に銀座に植えられた初代の柳から株分けされたもので「銀座の２世柳」と呼ばれています。そしてこの２世柳から株分けされた「３世柳」が校庭の職員室脇にあります。今回はこの2本の柳の枝と葉を剪定いたしました。

2024年5月末、柳の剪定の授業を行いました。
柳の枝や葉を刈り取り、煮出しやすくするためにチョキとチョキと細かく裁断。
子供たちは高いところにある葉を切っているスタッフを見て「私もやりたい！」「いっぱい切りたい！」と、とても好奇心旺盛に授業に取り組んでいました。

落ちた葉っぱも「大事な柳のいのち」として、1枚も残さないように拾い集めてくれました。みるみるうちに袋の中は柳でいっぱいに。瑞々しい草の香りが校庭に漂いました。

授業当日は天気が悪く、雨が降ることも予想されていたため、27年の歴史で初めて家庭科室で煮出しを行いました。

大きな寸胴鍋4つに柳の枝や葉と水をこぼれんばかりに入れ、煮ること約2時間。
途中何度かおたまで混ぜると、だんだんと濃くなっていきます。しっかり煮出した液は、黄金色のようなきらめきのある液体になります。

授業が終わり、お昼ご飯を食べる前に子供たちが自分たちの剪定した柳がどうなっているのか、気になって仕方がないという様子でやってきました。
鍋のふたを開けると、煮だされた柳のにおいにびっくり。おたまで液体をすくいあげると目を輝かせながら柳の染液を見ていました。3回目の染めの授業ではこの染液を使って、ハンカチと反物を染めていただきます。

第2回「柳の歴史の授業」

この日は店主泉二啓太が先生役となり、銀座と柳の歴史の授業を大講堂で行いました。柳が銀座のシンボルになり、現在に至るまでの歴史を沢山の資料を見せながら子供達に紹介していきます。

最期に、3回目の染めの授業に向けて、当日の注意点や準備するものを説明して終了。次はいよいよ、クライマックスの染めの授業です。

第3回「染めの授業」

7月初旬に、銀座の柳染めの最終工程となる「染めの授業」の行いました。

染めの先生は、染色家の山崎広樹さん。
今私たちが普通に使っている「草木染（くさきぞめ）」という言葉を作った「山崎家」の四代目であり、銀座もとじ男のきものシーズナルコレクションでの作品制作や、草木染の魅力を伝える活動を精力的に行われています。

まずは体育館で、染めの手順のおさらいと、奄美大島・大勝小学校とのオンライン交流会です。
「大勝小学校はどんな特徴がありますか」
「学校に相撲の土俵があります！」
「すごい！！いいなあ！相撲したい！」歓声があがります。
好きな給食や好きな遊び、同じところも違うところも全部を面白がり、全員で奄美名物の「八月踊り」を踊る一幕も。