滋賀県の湖東地域は、室町時代より麻織物が作られ、江戸時代には越後縮や奈良晒とならび称される上質な麻織物「高宮布(たかみやぬの)」の産地としてその地位を築き、彦根藩は高宮布を保護し将軍家への献上品としていました。
遠く鈴鹿山脈からの清らかな水の流れが近江盆地に潤いを与え、その気候がもたらす風土により、この地で麻織物「近江上布」が盛んとなりました。
こちらは、近江上布で培った技法(櫛押し絣等)を、秦荘紬の絣作りで育み、織り上げた麻織物です。近江のちぢみ仕上げで生まれた「しぼ」の凹凸により、肌にぴたりとつきすぎず、風を通す涼やかな着心地が楽しめます。
おだやかな生成り地に、薄茶、黒のナチュラルな配色の中に、水色の差し色が爽やかにきいた絣格子模様。男性、女性、ご年代問わず、幅広くお召しいただける雰囲気です。
広巾で織り上げあられていますので、裄の長い男性にもお楽しみいただきやすい仕上りです。
麻ならではの風が通る涼やかな着心地をお楽しみください。