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藍田愛郎さんからのメッセージ

私が江戸小紋に出会ったのは成人式。
藍田正雄親方に弟子入りしていた母が作ってくれた武田菱のアンサンブルでした。
着物の事を何も知らなかったのですが、とても着心地が良く、最高の一日だったのを今でも思い出します。

後に弟子入りした私を親方は沢山の場所に連れ出してくれ、人と人との繋がりを教えてくれました。中でもお客様との距離が一番近くお話しを聞けたのがもとじさんでした。お客様とお話をしている内に、成人式を迎えられる息子さんのためにお着物とお羽織のご依頼を受け、あの時の自分を思い出しながら良い緊張の中で染めさせていただきました。

伝統を繋げ、感動を与えられる職人を目指して挑戦して行きたいと思っています。

令和2年4月19日
藍田愛郎


恩師である藍田正雄さんと。
40周年記念作品 プラチナボーイ 江戸小紋 「 雨龍縞」

 

藍田愛郎さんのご紹介

晴れ着として母親が自らの手で染め上げてくれた江戸小紋の着物とお羽織。
その時の感動が忘れられず、大学卒業後、母親の師匠でもあった江戸小紋師・藍田正雄氏の門を叩きます。正雄氏の父親も小紋染めに命を懸けた職人であり、自らも中学卒業後、数えきれない染工場で腕を磨き生き残ってきた最後の渡り職人です。
藍田染工には常に5人程の弟子がおり、師匠の背中を見て技術と心技を学び、己と向き合い、切磋琢磨する修業時代を過ごします。
2017年夏、最愛の師である藍田正雄氏が永眠、藍田染工の代表として師の名と技術、信念を受け継ぎます。一見無地にも見える細やかな柄の江戸小紋は精緻な糊置きの確かな技があってこそ、正に愛郎さんの真骨頂です。
銀座もとじ和染 2015年 35周年記念展出品、2017年10月藍田正雄先生を偲ぶ会 

平成19年 第54回 日本伝統工芸展 江戸小紋着尺「二ッ割よろけ毛万」日本工芸会新人賞
平成26年 第54回 東日本伝統工芸展 江戸小紋着尺「千鳥格子」川徳賞
令和元年 第53回 日本伝統工芸染織展 江戸小紋着尺「ねじり菊」大丸松坂屋賞
令和2年 第60回 東日本伝統工芸展 江戸小紋着物「縄目養老に疋田縦ぼかし」奨励賞


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