銀座もとじの使命
いま、すばらしい美しさとその個性で魅了する女性モデルがいます。
来日した彼女の行動に又々魅了されました。
その一つに彼女がキモノを着たことがあります。キモノを現代のファッションとして、彼女の世界として扱い表現するのに大いに感動しました。
しかし、ここからがザンネンの思いです。
先ず着方が色町風であることです。そう感じさせてしまうのは大変損です。
又、キモノの命ともいえる、帯や小物などとの取り合わせは、キモノ美の本格が理解されていません。それらを彼女に求めるのは無理です。
ですから周囲に居て手助けした者の能力が問われることになります。
こんな時に是非とも「銀座もとじ」が相談にのれるような仕組みが出来てほしいものです。
すばらしいキモノを制作・販売するのはもちろん、さらに日本の文化、キモノに関する文化の本格を、一般の方々に届ける場でこそあってほしい。
イヤもうそうなのかも知れませんが。
そして厄介な時には、どうぞ我々を利用して下さい。
折角の「繋がり」がすでに存在しているのですから。
令和2年5月7日
切畑健
切畑健さんのご紹介
1936年大阪市生まれ。
1963年に京都市立美術大学(現・京都市立芸術大学)日本画科卒業後、京都国立博物館に勤務、京都文化資料研究センター調査資料室長、普及室長を歴任。その後15年間、2007年まで大手前女子大学(現大手前大学)日本文化学科勤務、教鞭に立つ。
長年、日本の染織史研究に従事しながら着物の和様美を考察し続けています。
京都国立博物館名誉館員。
主な著書に、『能装束』京都書院美術双書 日本の染織
『雛人形』京都書院アーツコレクション 等多数。