2016年、「銀座もとじ」で開催された「山崎青樹の染織世界」展の会期中に、多くのお客様にお会いすることができました。泉二社長や二代目の啓太様、企画の續様を始めとして、銀座もとじの皆様の着物文化の継承と発展への思いの中で、教養とセンスのあるお客様とお話したことで「和」を感じました。
「和」とは、日本人が自然と共生してきた長い歴史が育んだ文化だと思います。季節感を俊敏に捉える日本人の美意識が、着物文化に反映されていることをお客様と共感できました。着物は「和」であり、美意識の集積だと思います。草木染も四季折々に変化する色彩を糸や布に映し出すので、「和」の継承だと思います。お客様に、草木染を三代続けていることを高く評価して頂き大変ありがたく思いました。
「銀座もとじ」は、作家とお客様との繋がりの拠点であり、着物文化を基にして日本の「和」をさらに広める場と思います。このお客様との繋がりの場に、参加できたことに深く感謝しております。
令和2年4月18日
草木染研究所柿生工房主宰 山崎和樹
山崎和樹さんのご紹介
群馬県高崎市生まれ、草木染研究所柿生工房を主宰、草木染研究家・染色工芸家として、草木染の研究と普及に努めています。
祖父の山崎斌(あきら)氏は文学者、染織家、「草木染」の命名者として知られており、父である山崎青樹氏は斌(あきら)氏から受け継いだ草木染の研究開発を更に進めながら、自らも型染め、蝋染め、絞り染め、墨書き等、多様な技で染色工芸家、日本画家としても活躍されました。
草木染がもたらす心の豊かさ、ものを創ることにより生まれるしなやかで美しい思想は和樹氏からご子息の広樹氏へと受け継がれています。
自然と共生し、時代と向き合いながら暮らしの中の草木染を提唱し続けています。
東北芸術工科大学非常勤講師
2016年 銀座もとじ 和織にて「山崎青樹の染織世界」展 開催