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四ツ井 健さんからのメッセージ

「人間」とは「人と人との間に存在する」との意味らしい。その人との繋がりを断つことをせざるを得ない今こそ、本当に人との繋がりの大切さを身にしみるのではないでしょうか。私は友禅染という技をもって、人の役に立つことで人との繋がりを実感しております。銀座もとじさんとの出会いは10年程前、これまでの私の生き方を大きく転換する切っ掛けとなりました。

作品を通して沢山のお客様と出会い、お一人お一人と語った時間はその後の作品を創る上で貴重な財産となっております。出会いの積み重ねにより、より一層多くの方々に喜んでいただける作品を生み出し、また店頭でお客様皆さまと出会い語らえることが早く来る日を心より待ち望んでおります。

令和2年5月1日
四ツ井 健


創業40周年記念作品 角帯 紬 「曲線」
友禅 九寸名古屋帯 「すみれ 薄紫 3-5月」

四ツ井 健さんのご紹介

金沢生まれ、加賀百万石の城下町として、浅野川と犀川の2つの川を中心に町は同心円状に広がり、町の縦横に張り巡らされた用水網や寺院群、歴史を築いてきた勇みを感じる町で生まれ育つ。

美大受験の時に大病を患い断念、この世界の切っ掛けを作ってくれたのは父親でした。友禅工房に住み込みで働くも伝統工芸が培われた壁は高く若き日々は悩み苦しむ日々、そこに一筋の光を与えてくれたのも伝統工芸でした。

工房に従事しながら陶芸家・長谷川塑人(はせがわそじん)先生にデザインを学んだのです。師からは、「ご飯を食べる前に1つデザインを描く」、1日3枚×30日=90枚描きなさい。
「考えて、考えて、考えて、考えない時にふっとご褒美のように答えが与えられる」
師からは心技を学び、以後、10年半勤務し独立をします。

組合に属するも自分の意志を貫き脱退、以後は作品を抱え市内の呉服屋を一軒一軒回ったと言います。日本伝統工芸会の懇親会で隣席した江戸小紋師・藍田正雄氏に思いを告げると、「四ツ井君の友禅で合作を創ろう!銀座に作家を大切にしてくれる、いいお店があるから、今度、紹介するよ」あれから11年。

四ツ井さんのデザインの基礎となるのは、「着物はファッションである」ということ。
「現代の生活様式に寄り添う友禅」、正に工芸王国である金沢に根付いた、時代に生き、地域で生きていくという強い志です。糸目友禅技法と薪糊を合わせ生み出される染空間は古典を踏まえながらどこまでも伸びやかです。

男のきもの オリジナル角帯制作、2015年 35周年・2020年 40周年記念展 角帯制作

平成19年 第41回日本伝統工芸染織展 友禅訪問着「あけぼの」北國新聞社賞 受賞
平成21年 第43回日本伝統工芸染織展 友禅訪問着「源流」日本経済新聞社賞 受賞
平成26年 第48回日本伝統工芸染織展 友禅着物「流水」東京都教育委員会賞 受賞
平成27年 第56回石川伝統工芸展 友禅着物「爽流」NHK金沢放送局長賞 受賞

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泉二の一口対談 四ツ井健
四ツ井健さん|泉二の一口対談

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