作り手として私は数え切れないほどの着物や帯、羽織を作ってきました。
けれど、自分の作った着物をお召になられたお客様の着姿を見る機会も、お目にかかることも本当になかったのです。
ところが、もとじさんとご縁が生まれ、個展催事でお世話になり、お店の方とも一緒になってもの作りをし、在廊時やぎゃらりートークなどでお客様とお目にかかることができるようになりました。
お客様のご希望のお品物も別注で誂えさせていただけるようになりました。
創立35周年、男のきもの15周年、大島紬店開店5周年の各記念パーティー、「何人ものお客様に、あの時の着物を着ていただいている」、もう感激で、おまけにちょっと褒めていただいて、あの時の高揚感は一生忘れることができません。
物づくりのエネルギーにどれだけ力になっているか、有難く思っています。
日本刺繍 アトリエ森繍 森康次
森康次さんのご紹介
刺繍業を営む家に生まれ、15歳から家業に従事、今年60年を迎えられました。
時代に漂う空気感と柔軟性を兼ね備えた色彩美、唯一無二の世界観は男性・女性の垣根を超越します。正に変幻自在、刺繍ならではの表現力は作家の創造力と覚悟、着る人を想う心の深さを感じます。
今尚、日本刺繍の可能性を追い求め邁進し続ける姿から目が離せません。
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