銀座もとじ様
「繋がり」
着物と繋がりについて思い出深い事があります。
2011年3月11日、東日本大震災が起こり、街から光と色と音が消えました。
光と色と音の消えた街は悲しく、寂しく、何をしても心は晴れません。
今、新型コロナウイルスによる異常事態宣言の発せられた街も同じように感じます。
そして大震災から数か月後の事、銀座もとじさんに伺った時、店頭に展示してあった
薄紅色の訪問着の美しさに心が震えました。
何方の作であったか今は思い出せませんが、私の心の中に固まっていた何かが解きほぐれ、光と色と音が蘇ってきました。
艶やかな着物の美しさは 他に比べようもありません。
着物はお召しになる方を美しくするだけでなく 周りの人々の心を癒し、和ませ、華やぎをもたらせます。
1200年余の昔から伝わる和の衣装の持つ力は、何にも代え難いと思いました。
人と衣装の繋がりは、真に深く強いものです。
令和2年4月16日 小倉淳史
小倉淳史さんのご紹介
安土桃山時代に花開き江戸時代に忽然と途絶えた幻の染め「辻が花」を甦らせた小倉家。父・建亮氏の志を継ぎ、現代に生きる「辻が花」として新たな世界を作りだされています。
第54回日本伝統工芸染織展にて、絞り染訪問着「The junction」が文部科学大臣賞を受賞されました。
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