お客様の喜びを自分の喜びとして
随分と前のことになりますが、
お客様のご用命をお待たせしてしまったことがありました。
時間が経つにつれご連絡がしづらくなり、意を決して制作状況をご報告させていただきました。
「覚えていてくださってありがとう。楽しみに待っていますよ」と、お許しのお言葉をいただきました。
お叱りを覚悟していた私は、自分の思いや都合を優先してきた身勝手さを痛感し、二度とお客様を裏切ってはいけない、そう自分自身に誓いました。
初めての個展では、
「着物姿をお祖母様やお母様がとても素敵だと喜んでくれました」
「着物を着ることで新しい友人ができ、新しい世界が広がりました」
「一枚の着物が人生の支えになってくれた」
お客様から、あたたかなお声をいただきました。
私が手掛けた着物や帯がお客様の人生に寄り添い、歩みはじめていることを知れたこと、私の大切な原動力になっています。
普段、直接お会いする機会はないですが、
着物を纏ってくださるお客様の笑顔を想像しながら制作すること、
その御姿を拝見できる場所、
それが御社の展示会だと実感しております。
トーク会は苦手です…心臓が飛び出そうになります。
また、皆様にお会いできる日を励みに、日々、精進いたします。
澤田麻衣子
澤田麻衣子さんのご紹介
新潟県生まれ。大学卒業後、型絵染を学び京紅型の工房で20年間従事する。
2015年開催、『「きものSalon」と「銀座もとじ」が選ぶ染織大賞』で大賞を受
2017年4月独立、それを機に出品した作品・型絵染着物「夏霞」が第51回日本伝統工芸染織展にて初出品・初入選
2017年6月、「ぎゃらりー泉」にて初個展
2019年5月には2回目個展
2019年 第48回日本伝統工芸近畿展 型絵染着物「風雅紫苑」京都新聞賞 受賞
デザイン、型紙彫りから染めに至るまで、みずみずしい感性と、職人として20年間磨き上げた手技で、大人の女性の可愛らしさを引き出す四季折々の作品を作り上げています。