もとじ様の店頭で私の作品を御覧になっている皆様、作品展の折に初めてお目にかかった皆様、その後の和装ライフはいかがでしょうか?
2017年10月、2回目の個展催事の時、私の帯をお召しのお客様のお着物と帯締めの取り合わせが巧妙で、全身で見事な奥行きと素敵な人間性を表現しておられました。これは洋装では叶えられない世界だと思います。
自分の制作意思を押し切って制作しました帯(スズラン文)については『これを探していた!』と、笑顔のお客様がいらっしゃって、正直少々不安を抱いていた私としては勇気100倍!作り手を生かすも殺すも、この一言で充分なのです。ありがとうございました。
もとじ様のお客様は、確かな意志とイメージをお持ちの上で和装をお選び、お召しになりますね。私の望むところでもあります。
これからも社会を支えて堂々と歩いて行こうという女性に似合う和装を目指し制作してまいります。移りゆく季節に寄せて私から皆様への新しい本気の作品をどうぞお楽しみに。
ありがとうございました。
京都・亀岡 湯本エリ子
湯本エリ子さんのご紹介
名古屋生まれ。一般企業に就職、20歳の心は揺れ動き、自分探しの旅へ。
その旅先はソビエト連邦、広い空と大地、雄大なネヴァ川の流れ、大自然のおおらかさに気持ちが救われ、この自然こそがすべての源。大自然の命の輝きを表現する仕事をして生きていこうと心に決めます。
自ら語られることはないが、御父上も友禅作家(日本工芸会 正会員)
父親ではどうしても甘えが生じると、山科春宣氏に学び15年従事する。
1988年、独立。
現在は京都から車で1時間弱、京都府亀岡市に工房を構え、移ろいゆく四季を感じられる自然ゆたかな場所で制作活動をする。
一葉、一葉、草木の特徴を卓越した技巧で抽象的なかたちで表現する。
その心意を作家が語っています。
「1粒の小さな種からひたすら育つ植物たちにうそはないです。水を得、陽を浴びようと次々と枝葉を広げ、花を咲かせ、自身の重みでうなだれつつも堂々と存在しています。これはたまらない魅力です。写生は苦手ですが、存在を確かめたくて写生します」