東京友禅作家 生駒暉夫さんの付下げ作品です。
おだやかな浅葱色の裾をほんのり濃く染め上げた色地が、品の良い爽やかさを演出する付下げ。すくりと立ち並ぶ松の空間性がすっきりと品よく、控えめながら主張のある構成が大変お洒落です。松葉の吹き寄せが画面を軽やかに。色数を抑えた統一的なあしらいが、古典的な松モチーフを現代感覚に仕上げています。同系でなじむような表現は、引き算の美学。古典柄の安心感がありつつ、洗練されたセンスが感じられます。
ワントーンで仕上げられていますので、帯も同系ですっきりと合わせれば、ワンピース感覚に。
ボリュームのある帯を合わせれば、華やぎのシーンにもふさわしい装いに。
吉祥柄である松は、お祝いのシーンにも喜ばれます。
季節を問わず、ご年代問わず、シーンも大変幅広く。
家族のお祝いの付き添いやご友人の披露宴、レストランでの会食など、名古屋帯、袋帯の格次第で、幅広いフォーマルシーンに重宝いただける付下げです。
生駒暉夫さんにつきましてはぜひこちらをお読みください。
著者:外舘和子(多摩美術大学教授)
>>【和織物語】「自然のダイナミズムを示す構図と空間-生駒暉夫の友禅」
生駒暉夫さんについて
東京友禅作家 生駒暉夫さんは、長野県佐久市の緑あふれる豊かな森と悠然な大地で18歳までを過ごしました。伝統を踏まえつつも動きのある大胆な構図、豊かな色彩表現が持ち味の「東京友禅らしい品格のある都会的な感覚」を大切にした職人の粋。夕暮れ時まで野山で虫を追いかけ、山脈の峰を眺めながら山道を歩いた幼少期。朝もやに包まれる幻想的な瞬間、雪が全てを白に包み込んだ銀世界の美しさ、自然の荘厳そして四季をめぐる風情。そこで育まれた感性が、あたたかな視点で、時に微笑あふれるユニークなモチーフで作品に表現されています。
【作家産地】「生駒暉夫」ご紹介