■「極上の上布 ~上質を極める日本の夏~」
燦燦と陽光を浴びた鮮烈な色彩の上布、白地に絣が冴える上布、深い藍色の清らかな上布、精緻な手技で感性ゆたかに染め織り上げられた作家作品。
北から南まで、日本の風土から生まれた上布の逸品をご紹介します。
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令和4年9月にご逝去された人間国宝・平良敏子さんが主宰されてきた芭蕉布織物工房で作られた「重要無形文化財」指定の“喜如嘉の芭蕉布”の八寸帯です。
こちらは「浮織」入りで、薄茶地に緑の彩りが大変お洒落な作品となっております。
平良敏子さんについてはぜひこちらをお読みください。
【作家産地】「人間国宝・平良敏子」ご紹介
【和織物語】「ありがたき當然の美 - 喜如嘉の芭蕉布」
【和織物語】「信念で育む喜如嘉の芭蕉布 平良敏子と芭蕉布織物工房」
芭蕉布は、経緯糸ともに手績み芭蕉糸100%を使用し、草木染、手織りで作られた沖縄を代表する夏の織物です。
上布や麻、夏紬の着物に合わせて。
風が抜ける自然布ならではの涼やかさは夏の醍醐味です。
古い書物には13世紀頃からすでに芭蕉布は織られていて、15世紀には現在の工程と同じ技法を使っていたと記されているといいます。芭蕉には3種類あり、実芭蕉(バナナ)、花芭蕉、糸芭蕉がありますが、芭蕉布は糸芭蕉を使います。背丈ほどにもなる糸芭蕉の茎を伐採して、繊維を取り出します。外側は硬いので座布団や小物などに、その内側は帯に、そしてさらに内側のやわらかな繊維は着物になります。糸芭蕉は原皮が採れるまで約3年の成熟を待たなければなりません。また、着尺一反分には約200本の原木が必要と言われます。芭蕉栽培から、伐採し、繊維を手で裂いて糸にし、織り上げるまで想像を超える根気が求められる織物です。
【作家産地】「芭蕉布」のご紹介
【特別対談】芭蕉布の魅力 泉二が選ぶ必見の一反