日本工芸会 正会員の金工家・奥村公規さんの羽織紐作品です。
「兵庫鎖(ひょうごぐさり)」は、長円形の鐶を交互に通して折り返しつないだ鎖です。 兵具、主に腰に太刀をつける紐(帯取)に銀の鎖を用いたもので、鎌倉時代に流行しました。「兵具鎖(ひょうぐぐさり)」の変化した言葉です。
こちらは二連でつないだデザイン。黒味おびた独特の鈍いいぶし銀の表情が味わい深く、大人の男性の色気を感じさせます。
店主の泉二啓太も大変愛用しており、お洒落用として、普段使いから、ちょっとしたパーティーシーンまで、上質なアクセサリー感覚で楽しんでいます。
奥村公規さんならでは世界観と質感、デザイン性をご堪能いただける羽織紐です。
一生モノとして身に着けていただきたい逸品です。
※画像は見本品の為、箱の手書きの文字はひとつひとつ異なります
奥村公規さんについて
幼少の頃より刀の鍔(つば)や目貫(めぬき)など、武具に興味があったという奥村公規さん。学生時代には古い文献や骨董などから知識を得て、見よう見まねで刀の柄の柄巻き(つかまき)を独学で覚えるなどしていたといいます。
1975年に武蔵野美術大学を卒業後、作家活動へ。
現在では希少な分野であり情報の限られる金工、彫金・鍛金の世界。金工の工房へ通い技術を学ぶものの、より高みを目指すには自ら学んでいくしかないと、古い文献を読みあさり、美術作品をよく観察し技法を推察しながら再現。文化財の修復・復元を通じて試行錯誤の中から技法を確立し、芸術性の高い作品を創作されてきました。
金工には「彫金」「鍛金」「鋳金」という技法がありますが、奥村さんの作品は「彫金」「鍛金」によるもの。 一枚の金属板を表側から細やかに叩きながら、部分的に地金を延ばし曲げていくことで立体的な形を作り出していきます。これを「打ち出し」と呼びます。
金属の展延性を生かし、金属の厚みを均一に保ちながら立体造形を作るところに高い技術を要するとのこと。打ち出しに必要な道具も、奥村さんがご自身で作られています。