■「葛布展~自然の魅力に触れる~」
日本人と葛。遡ること、古墳時代。
採取して食し、繊維から糸をつくり織物にする、日常の営みがありました。
今も尚、静岡県大井川では植物の天然繊維ならではの風合いと透き通るような光沢を生かした織物を手がけています。
幻の布となる前に是非この機会に触れてみてください。
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コーディネートについて
【葛布】「稔」帯と宮古上布を秋の彩りで、夏後半の銀座へ
自然布を夏の後半にも楽しみやすい、秋の彩りを取り入れたコーディネート。
仲宗根みちこさんのナチュラルな生成りの宮古上布の着物は、爽やかな色を合わせると夏の前半に、落ち着いた色なら夏の後半に着こなしやすい、着回しの効く一枚。
今回は「稔」と題された実りを思わせる緑地の葛布帯を合わせて。
帯揚げは小豆茶系で落ち着かせました。
残暑の時期、素材はまだ涼やかに、気配で秋を纏うお洒落を。
銀座へお買い物に。
葛布について
葛布(くずふ、かっぷ)は蔦性のマメ科の植物「葛」から作られる自然布の一つで、その歴史の古さから、芭蕉布、科布(しなふ)と共に日本三大原始布とも呼ばれています。
葛は、葛餅や葛根湯など食用の用途として知られていますが、繁殖力が強く繊維も強靭であることから、麻や綿が大陸から入ってくる以前の日本では、身近な植物である葛から布が作られていたと考えられています。やがて、葛の繊維特有の美しい光沢感を活かし、貴族の装束や武士の裃として身分の高い人々の装いに用いられるようになりました。
静岡県を南北に流れる大井川沿いは鎌倉時代から続く葛布の名産地で、「千年の歴史を途絶えさせない」という思いで、新たな葛布の魅力を世界へ向けて発信しています。
伐採した蔓を茹でた後、室で発酵させ固い外皮を溶かして繊維を採る等、その独特の製法も興味深く、自然の力を生かし自然と共生する布づくりの在り方に、今再び注目が集まっています。
【作家産地】「葛布」のご紹介
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【動画】葛布の歴史と作り方-大井川葛布(約10分)