「松枝家の久留米絣―藍と光の探求と展開」
会期:2025年3月7日(金)~9日(日)
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作品名:「芽ぶき」
手括:松枝哲也
藍染:松枝哲也
手織:松枝哲也
久留米絣は1957 年に、木綿では初めて、国の重要無形文化財として指定されました。
<指定条件>
1、手括りによる絣糸を使用すること。
2、純正天然藍で染めること。
3、なげひの手織り織機で織ること。
この方法で製作し、検査に合格したものが、「重要無形文化財」の証紙を貼られ、市場に出ます。厳しい条件を満たして作られる久留米絣は、非常に限られた数しか織られない、貴重なものです。
こちらは、久留米絣の産地組合が合格品として世に出されている作品です。
久留米絣共同組合の合格証紙、久留米絣技術保存会の検査之証、重要無形文化財の証紙が貼られています。
故・松枝哲也さんによる希少な作品となっています。
※組合からの作品は本名の「松枝哲也」、組合からではない作家作品は「松枝哲哉」の名で出されています
「松枝家」について
「松枝家」は、150年間にわたって絵絣の技を継承する久留米絣の名家。
3代目である故・松枝玉記(たまき)氏は久留米絣の分野で国の重要無形文化財保持者(人間国宝)となりました。
久留米絣は、八女地方の小柄な男絣と、久留米市南部の大柄な絵絣の2種に大別されますが、松枝家に伝わるのは後者の「大柄な絵絣」です。
筑後の自然風景、風や雨や光や影、そして宇宙にまで思いを馳せ、絣紋様に意匠化して写し取ります。豊かな詩情あふれる世界観を藍と白のコントラストや藍の濃淡染めで美しい諧調を表現した作品は、見る者に深い感動を呼び覚ます力強さがあります。
「松枝家の久留米絣」につきましてはぜひこちらをお読みください。
著者:外舘和子(多摩美術大学教授)
>>【和織物語】「松枝家の久留米絣―藍と光の探求と展開」
松枝哲哉(哲也)さんについて
1955年、福岡県生まれ。久留米絣の名家・松枝家の5代目当主。人間国宝であった祖父の松枝玉記さんに中学時代より藍染めを習い、後に手織り・手括りを学び、24歳の時には重要無形文化財久留米絣技術伝承者(手括り・藍染め・手織)に認定。詩情あふれる絵絣模様を得意とされ、29歳の時に日本伝統工芸展初入選、以降多数入選。2020年、第67回日本伝統工芸展で文部科学大臣賞を受賞、同年7月にご逝去。
《着用季節について》
久留米絣は単衣仕立てで楽しまれることが一般的です。着用季節は、帯次第で幅広く、暖かさのある袷から単衣の季節、4-6月、9-11月頃を中心に長くお召しいただけます。
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【YouTube動画公開中】松枝家の久留米絣の魅力