「松枝家の久留米絣―藍と光の探求と展開」
会期:2025年3月7日(金)~9日(日)
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こちらは雑誌「美しいキモノ 2025年春号」94-95ページの『「銀座もとじ」が未来につなぐきもの物語』にて静物撮影で掲載されたお品です。
誌面では、松枝崇弘さんと店主の着姿も掲載されています。ぜひご覧ください。
こちらは【令和4年 第69回日本伝統工芸展 入選作品】です。
工芸展出品作品は、作家の思い入れが別格です。松枝崇弘さんの入魂の逸品、独特の世界観を存分にご堪能いただける作品です。
>>日本工芸会ホームページでも入選作品として掲載されています(外部リンク)
作者:松枝崇弘
作品名:「光の系譜」
【作家コメント】
「久留米絣のきっちりとした絣合わせに初めて取り組んだ作品です。絣の配置で菱にも丸にも見えるよう、そして、縦、横、斜めと色々な方向に動きが出るようデザインしたものです。 連綿と繋がれてきた松枝家の絣の光への思いを込めています。」
「松枝家」について
「松枝家」は、150年間にわたって絵絣の技を継承する久留米絣の名家。
3代目である故・松枝玉記(たまき)氏は久留米絣の分野で国の重要無形文化財保持者(人間国宝)となりました。
久留米絣は、八女地方の小柄な男絣と、久留米市南部の大柄な絵絣の2種に大別されますが、松枝家に伝わるのは後者の「大柄な絵絣」です。
筑後の自然風景、風や雨や光や影、そして宇宙にまで思いを馳せ、絣紋様に意匠化して写し取ります。豊かな詩情あふれる世界観を藍と白のコントラストや藍の濃淡染めで美しい諧調を表現した作品は、見る者に深い感動を呼び覚ます力強さがあります。
「松枝家の久留米絣」につきましてはぜひこちらをお読みください。
著者:外舘和子(多摩美術大学教授)
>>【和織物語】「松枝家の久留米絣―藍と光の探求と展開」
松枝崇弘さんについて
1995年、福岡県久留米市生まれ。7歳で父、松枝家の5代目当主・松枝哲哉さん から藍染めを、10歳で母、松枝小夜子さんから機織りを学び、幼い頃から染織に親しんで育つも、大学卒業後は一般企業に就職。哲哉さんがご病気になられたのをきかっけに本格的に家業へ入り、父から子への松枝家の技術伝承は動画等を駆使して病床からも行われ、濃密な修行期間を過ごされます。2020年に哲哉さんが永眠された後、小夜子さんとともに、工房「藍生庵(らんせいあん)」にて制作活動を続けられています。2021年に日本伝統工芸展へ初出品・初入選、「日本工芸会奨励賞」を受賞されました。
哲哉さんや小夜子さんと同様、作品のテーマは「光」ですが「父とはまた違った光の表現」と仰います。光の探求とともに、絣、絵絣、藍以外の植物染料の効果的な組み合わせ等、制作への挑戦意欲にあふれ、工芸展への出品も毎回異なる作風で挑まれています。
幼少期より短歌を嗜み、小学3年生で詠んだ歌『クワふれば ミミズはじける土のうね ひとさし指で 藍のたねまく』が国民文化祭で選抜されるなど入選多数。
《着用季節について》
久留米絣は単衣仕立てで楽しまれることが一般的です。着用季節は、帯次第で幅広く、暖かさのある袷から単衣の季節、4-6月、9-11月頃を中心に長くお召しいただけます。
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