現代の街並みに似合う洗練されたセンスが人気の西陣の機屋「織楽浅野」の角帯です。
1980年に「織を楽しむ」をコンセプトとして創業された京都西陣「織楽浅野(しょくらくあさの)」。色数を抑え、奥行きと質感があるきもの。西陣の伝統を大切にしながらも感性が際立つ作品を作り続け、時を越えて支持されるスタイルを提案しています。幼少の頃よりお父様と共に美術館や本屋巡りをし、価値あるものを選ぶ眼を養う機会に恵まれたという代表の浅野裕尚さん。現在も世界中の美術書や織物、さまざまな和紙、筆、墨、箸、ポスターなどをコレクションされ、素材そのものの本質的な美しさを捉え、創作に生かされています。 素材の違いが生み出す陰影が表情をつくる帯は、女性、男性ともに人気を集めています。
【浅野裕尚さん コメント】
■新作角帯について
名古屋帯を基本に2寸6分に三つ折りをし、そして芯を入れ仕立てしています。 裏に緯糸の渡りがあると芯を入れるときに邪魔になるため、その裏の渡りを無くすよう織物設計をする必要があります。名古屋帯の時には裏うち(裏わたりを無くすためにとじること)が三色までと考えていましたが、それでは使用する色数に制限があるため、現在では工夫をかさね4色まで裏うちを施し、角帯として製織しています。そのために新しい作品では色目の自由さが増え、いままでにない色の組み合わせを用い、表現しています。また三つ折りにするため、九寸とは異なるトリミングによるおもしろさを考えデザインします。
■角帯「TEXTILE 然」
2004年に京都マロニエのギャラリーで帯としてではなく、織物として表現する個展を開きました。その時に製作した織を今回、角帯として提案いたします。「然」は経糸にかすり、緯糸にもボカシ糸の組み合わせを用い、素材の変化による表情を生み出しています。
白茶濃淡、焦茶濃淡で織りなした段模様。紬のような風合いが素材感のおもしろい一品です。
色数を抑え、素材や織の陰影を生かした、織楽浅野ならではの感性。洋装と集うことが多い現代のきものシーンにふさわしいスマートなお洒落が楽しめる角帯です。
紬、お召、小紋に幅広く活躍する一品です。
【作家産地】「織楽浅野」のご紹介