■佐野美幸の織 -繊細なる色糸のハーモニー
会期:2025年4月4日(金)~6日(日)
作品解説5日(土) / トーク6日(日) / 在廊 全日
>>作品一覧
銀座もとじ初となる、染織作家・佐野美幸さんの作品展を開催いたします。
志村ふくみ氏に師事され草木染と紬織を習得、さらに北村武資氏の「うすはたの会」では薄物の織り技を磨かれて、40余年にわたり精緻な織りの世界を探求し続けてこられました。
幾重にも染め分けた色糸が織り成す美しい紬や生絹が、工芸展受賞作を含め一堂に集います。佐野美幸さんの世界をぜひご堪能ください。
こちらは【令和5年 第52回日本伝統工芸近畿展 入選作品】です。
工芸展出品作品は、作家の思い入れが別格です。佐野美幸さんの入魂の逸品、独特の世界観を存分にご堪能いただける作品です。
>>日本工芸会ホームページでも入選作品として掲載されています(外部リンク)
【作家コメント】
紬織着物 草木染「池塘春草(ちとうしゅんそう)」
「春の鴨川辺を、雑木のグレー、梔子刈安に藍を重ねた若草色や濃淡の緑、袖には桜や柳の木のイメージを映してみました。しっかりめの紬の一領です。」
染料:藍、梔子、雑木
佐野美幸さんについて
高知県黒潮町出身。自然豊かな海辺の町で幼少期から機音を聞いて育ち、父の勧めで看護学校へ。看護師として働きながら京都の美術専門学校でテキスタイルや染織の基礎を学び、卒業後は紬織の重要無形文化財保持者・志村ふくみ氏に師事し植物染と紬織の技法を習得。1987年には機を持参して渡仏しパリや南仏で個展を開催。帰国後、1991年に日本伝統工芸近畿展で松下幸之助記念賞を受賞。2003年には日本伝統工芸展で文部科学大臣賞を受賞するなど、高い評価を得ています。
作品は平織を基調とした縞や格子の美しい構成が特徴で、糸の太細や精錬の加減による繊細な素材感の変化、藍や茜などの植物染料を用いた深みのある色彩などが魅力です。また、羅の重要無形文化財保持者・北村武資氏の研修会「うすはたの会」にも参加し、織の表現をさらに追求。精力的に制作を続けられています。
佐野美幸さんにつきましてはぜひこちらをお読みください。
著者:外舘和子(多摩美術大学教授)
>>【和織物語】「佐野美幸の織 -繊細なる色糸のハーモニー」
年譜
1953年 高知県に生まれる
1982年 インターナショナル美術専門学校卒業
重要無形文化財「紬織」保持者 志村ふくみ氏に師事
1987年 渡仏 パリ・ソルボンヌ大学語学留学
1988年 パリ・南フランスにて個展
1991年 第20回 日本伝統工芸近畿展 松下幸之助記念賞 受賞
1996年 重要無形文化財「羅」「経錦」保持者 北村武資氏による伝承者養成研修会で捩り織を学ぶ
1997年 第26回 日本伝統工芸近畿展 京都府教育委員会教育長賞 受賞
志村ふくみと水縹の会展(東京・和光)
2000年 うすはたの会展(東京・和光)
2003年 第50回 日本伝統工芸展 文部科学大臣賞 受賞
2004年 うすはたの会展(京都・ギャラリーなかむら)
2005年 うすはたの会展(イギリス・ロンドン)
2022年 京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA(堀川御池ギャラリー内)個展
2025年 銀座もとじ 初個展
【作家産地】「佐野美幸」