こちらは【令和6年 第53回日本伝統工芸近畿展 入選作品】です。
工芸展出品作品は、作家の思い入れが別格です。大村幸太郎さんの入魂の逸品、独特の世界観を存分にご堪能いただける作品です。
>>日本工芸会ホームページでも入選作品として掲載されています(外部リンク)
京都市北部に工房を構える、日本工芸会正会員 大村幸太郎さんの九寸帯作品です。
釣りがお好きな大村さん。
魚を題材とした作品は以前から制作されていましたが、また違った魚の作品を作るにあたり、モチーフとして選んだのが「ピラルク」。
「ピラルク」は世界最大の淡水魚。
釣師・開高健さんがお好きで、その書籍にもあったことから、今回の工芸展に向けた作品へ選んだそうです。
幾何学的にデフォルメされたピラルクは、遠目ではきりっとシャープなモダン柄ですが、近づくと魚である遊び心が楽しい作品です。太鼓の一匹だけ、黄金色に染められたアクセントもおもしろみがあります。
生地は小市松の織柄があり、蝋吹雪の染表情と重なり、水のゆらぎのような抑揚を感じさせ、おもしろい効果を生んでいます。
大人の遊び心を楽しめる趣味の帯。
単衣から袷に長く楽しめます。
小紋や織着物に。