染織作家 大高美由紀さんによる希少な角帯作品です。
こちらは現在は広巾となっていますが、仕立てで半分に折ってかがりますので、焦茶と深緑をベースとしたリバーシブルでお楽しみいただける、贅沢かつ大変重宝する角帯です。
大高美由紀さんならではの浮き織による立体感と、各三本のラインに浮かび上がるぼかしの彩りが美しく、繊細な高級感が漂います。
焦×黒をベースとした面は、青、藤、金茶、焦茶のぼかし、
緑×黒の面は、青、黄緑、薄藤ねず、焦茶のぼかしが走り、奥行きのある帯姿が演出されます。
色のバランス、織技法のおもしろさ、ともに一目で上質な洒落感が伝わります。
お洒落でありながら装いに馴染みが良く、2色のベースが楽しめる、魅力にあふれた角帯です。
品の良い質感ですので、上等な織着物やお召、江戸小紋、小紋まで、カジュアルからスマートカジュアルまで幅広く楽しめます。
糸:生繭座繰糸、絹糸、紬糸
染料:楊梅、栗、化学染料
大高美由紀さんにつきましてはぜひこちらをお読みください。
著者:外舘和子(多摩美術大学教授)
>>【和織物語】「絣模様で創る空間~大高美由紀の織~」
※作家名:正しくは旧字体「大髙美由紀」
大高美由紀さんについて
1963年横浜市生まれ。現在は自然豊かな南足柄の工房で草木から染料を作り、糸染めからデザイン、織りまでを手掛けられています。日本伝統工芸展の入選をはじめ数々の受賞を重ねられ、最も注目される若手染織家の一人です。 多摩美術大学で油彩を学んだ後会社員をしていた20代半ばの頃、ある呉服店の店先で目にした大島紬の実演に目を奪われ、経糸と緯糸で織り成される絣模様に魅せられて染織の道へ。新潟県の染織のスクールを卒業し、絣織作家・神山尚子さんの内弟子として濃密な修行の時間を過ごされた後に独立されました。 生糸の精練から行い、経糸には国産の生繭座繰り糸、真綿の紬糸や玉糸など、作品によって糸選びにもこだわっていらっしゃいます。絣の抽象表現に込められた、四季の色彩と季節の空気感。立体的な体にまとったときに完成される美しい絣の造形とリズム。ご自身もお着物をお召しになり、自由な創作性の中にもお召しになる方の視点に立った細やかな心配りが込められています。
【作家産地】「大高美由紀」のご紹介