こちらは【令和6年度 第26回日本伝統工芸士作品展 出品作品】です。
出品作品は、作家の思い入れが別格です。岡部由紀子さん入魂の逸品、独特の世界観を存分にご堪能いただける作品です。
伝統工芸展に入選を重ねる博多織作家 岡部由紀子さんの角帯作品です。
帯端には岡部由紀子さんの想いが綴られています。
作品名:手織り 経浮織「宵の星」
夕刻、西の空をイメージして
博多織の伝統的な平地の帯を、経浮織で織り上げることで生み出された複雑で美しい幾何学模様。岡部由紀子さんならではの機の「しかけ」によって、ひとつひとつが大変多様な表情で、立体的に浮き立つような独特の質感が表現されています。見る角度によって陰影が表れ奥行きのある表情が楽しめます。
こちらは、葡萄紫の深いニュアンスカラーがお洒落な作品です。夕刻、西の空に輝き始めた星たちをイメージした、物語を想像させるデザイン性。瞬く星は、生地の半分で、四角と菱で角度を変えて織りなされています。
現在の画像は広巾となっており、仕立てで半分に折ってかがりますので、「四角」と「菱」、表裏でさりげなく違うデザインが楽しめる「リバーシブル仕様」であることも大きな魅力です。
モダンさのある幾何学文様は、洋装と集うシーンにも洗練された着こなしが楽しめそうです。
お召や小紋、きれい目の織着物に合わせて。
オペラやコンサートなどの華やぎのシーンから、ぎゃらりー巡り、お洒落なレストランでの会食など日常のスマートカジュアルまで幅広く。
経歴
2007年 染織を志す
2009年 博多織デベロップメントカレッジ 本科修了
博多織手機技能修士取得(博多織伝統工芸士会認定)
同年より作家活動を開始
2011年10月 「手織り博多織展」三人展をアクロス福岡匠ギャラリーにて開催
201年1月 「工房 絲紫」を自宅に開く
2020年3月 経済産業大臣指定伝統的工芸品 博多織製織部門伝統工芸士 認定
入選・入賞歴
2011年 第46回 日本工芸会 西部伝統工芸展 入選「万華」
2015年 第71回 福岡県美術展覧会 工芸部門 県美術協会賞 入賞「蜻蛉」
2016年 第50回 福岡市美術展 工芸部門 奨励賞 入賞「秋陽」
2017年 第51回 日本伝統工芸染織展 入選「朧」
2019年 第53回 日本伝統工芸染織展 入選「花萌葱」
2020年 第45 回 全国伝統的工芸品公募展 入選「和 なごみ」
2021年 第119回 博多織求評会 博多織工業組合理事長賞「手まり花」