紅型の世界を守り続けてきた紅型三宗家の一家、琉球紅型の第一人者、城間栄順氏の夏ものの九寸帯作品です。
第二次世界大戦後の沖縄で、焦土の中から紅型を復興させた父の城間栄喜氏。その遺志を継いで紅型の普及に情熱を傾け、城間栄順氏は琉球の美しい自然を表現し続けています。
【作家コメント】
「かみなり雲」
梅の花に
春蕾響き
五色の瑞雲は
めでたい事の兆し
中国では神仙が住むとされていた山中から湧き出る雲を雲気と呼び、その動きや色形で吉凶を占いました。特に「瑞雲」は縁起が良いとされています。
こちらは瑞雲に松竹梅を組み合わせた吉祥性豊かな意匠を、シックな彩りでシャープに仕上げたお洒落なセンス。ひんやりとしたクールカラーで夏に涼を運んでくれる一本です。松煙染のため、少しスモーキーで落ち着いた色調に仕上げられているのも洒落ています。
生地は、縦縞に透け感の濃淡のある絹駒素材でさらりとした風合いです。
単衣から盛夏の小紋や紬、麻、綿着物に。
【作家産地】「城間栄順」
「沖縄の染織」一覧