日本工芸会正会員として、さまざまな工芸展で入選を重ねる組紐師・伊藤裕子さんの手組みの男性用羽織紐のご紹介です。
茶系の色糸は”丹殻(たんがら)染”によるもの。
丹殻は紅樹皮とも言われ、蛭木(ヒルギ)属の全体を指します。熱帯・亜熱帯の河口に分布し、紅樹林はマングローブと称されていることでも有名です。
こちらはおだやかな明るさの茶系に、深い緑の色糸を重ねた、風格と洒落味のある高級感のあるお色目です。
『唐組』で表現され、房は『切り房』のスタイルとなっています。
また、乳につける部分は、金具かぎを芯に包むように組み上げているという、大変凝った作りになっています。直付けのように見えますがかぎタイプですので、簡単に付け外しができ、いろいろな羽織紐を楽しみたいときや羽織の脱ぎ着にとても便利です。また、直接金具が生地に触れないため、羽織に優しいつくりになっています。
きっちりと組み上げられた美しい組紐の仕上がり。指で折り曲げてもしなやかに形を保つ、手組みならではの仕上がりをぜひお手元でご実感いただきたいと思います。
伊藤裕子さんの確かな技術が生み出した作品です。ぜひこの機会に上質な結び心地をご堪能ください。
【作家産地】「伊藤裕子」