「木版摺更紗」の人間国宝 鈴田滋人氏の希少な九寸帯作品です。
2008年「木版摺更紗」の分野で重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された染色作家・鈴田滋人氏。
木版摺更紗は、江戸時代初期に始まった鍋島更紗を起源とし、「木版」と「型紙」といった2種類の型を併用して染色する独特の技法です。
美術大学を卒業後、一時は日本画家を目指すも、幻の鍋島更紗の復元に半生を捧げた父・照次氏の思いを継いで「現代の鍋島更紗を作りたい」と染色の道へ入られました。
完成された作品に漂う格調の高さや眼前に迫りくるような版打ちのリズムの美しさ、高貴さを感じられる絶妙な色彩感覚、さらに日本画的な静謐ささえ感じられます。
作品に「ひと色を足す」ことへの慎重さとこだわりを強くもち、版を打つ位置と打たずに残す余白との関係性を吟味して作品に反映されていらっしゃいます。
一枚の布の上に空間を創造していく「版のリズム」の響きは、身に纏われることでさらなる美しい音楽を奏ではじめます。
上等な織着物に合わせて、大人の上質カジュアルを堪能できる逸品です。
鈴田滋人氏につきましてはぜひこちらもお読みください
【和織物語】「版のリズムで空間を創造する - 鈴田滋人の木版摺更紗」
「木版摺更紗・鈴田滋人~口伝により受け継がれてきた秘伝の技法~」
「木版摺更紗・鈴田滋人~「木版」と「型紙」2種類の型を併用する独特の技法・解明の秘話"~」