友禅作家・湯本エリ子さんの九寸帯作品です。
「南天」は「難転(難を転じて福となす)」に通じることから、縁起ものとして親しまれてきました。
11~12月に赤い実をつける冬のモチーフである「南天」をデフォルメして、幾何学的に表現したモダンなデザイン。淡いグレー地に、目を引く多彩が冴え、遊び心のある帯姿が楽しめます。
彩りに黒やグレーを必ず入れて画面を引き締めるのが、湯本エリ子さんならではの色使いです。優しく甘い印象になりがちな植物文を、きりっとシャープに存在感を高め、上質感のある大人の植物文に仕上げています。
季節限定のお洒落は着物の醍醐味です。
冬のお集りや会食へ。
江戸小紋、小紋、織着物に。
湯本エリ子さんについて
湯本エリ子さんの魅力は、花草を抽象的にデザイン化した独特の感性。
季節ごとにデッサンする花草を、そのまま下図にするのではなく、その中から潜在的に一番印象深い草木の特徴を見極めて、抽象的なかたちで表現する湯本エリ子さん。色数を限り、モノトーン調に抑えられた色彩が存在感を際立たせ、統一感のある清々しさを醸し出しています。